タイミング【 2 】 (ページ49)

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「っ…………えっ？」

大我「ふふっ。またキスすると思った？
ねっ？思ったでしょ？笑」

「いや……。」

多分だけど、弄ばれてるのは私の方だと思う。

でも、それは全然嫌じゃなくて……

くくくっと理解し難い
笑いのツボに入った大我くんを見て、
私まで笑みがこぼれる。

あぁずるい人だ。

「ねぇ大我くん。」

大我「ん？」

まだ付き合ってない。

この先、もしかしたら大我くんは
この関係が嫌で他の人を好きになるかもしれない。

でも、今、この時を……私は最高の時間でいたい。

こっちを見つめる大我くんに顔を近づけ……

今やられたみたいにキスをしないでピタッと止まると、
ニコッと微笑んだ大我くんが
唇を尖らせてきたから触れてしまった。

ふふっとお互いがしたことを笑って、
ただただ甘ったるい雰囲気が漂う。

その時だった。

私のスマホの着信音が鳴り響いて、現実に引き戻された。

「はい。どしたの？」

何事も無かったかのように平然を装って
電話に出た相手は兄で、
パソコンに入ってるデータを送ってほしい
という仕事の内容だった。

兄『今1人？』

「えっ？なんで？」

兄『何となく。』

「ふーん。で、どれ？」

兄『ふふっ。お前、
少しは嘘つけないとやってけないぞ？笑』

「うるさい。いいから、早く。どれ？」

兄『早くしないと京本くんとの時間の邪魔だもんな？笑』

「ねぇ！そんなこと言うなら送らないよ？」

兄とのやり取りが分かってない大我くんが
不思議そうに私を見てきた。

でも、こんなふうにいじられてるなんて言えない。

兄に言われた通りのデータを送って電話を切った。

それからは甘ったるい雰囲気は全くなくて、
いつも通りの2人の空間だった。

でもね、欲を言うと……

いや、なんでもない。