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何も手につかなくて、頭の中で何も考えられなくて……
無意識に電話をかけてしまった。
絶対困らせただろうな……。
来たら謝ろう。
そう考えて少しして
エントランスのインターフォンが鳴った。
ラフな格好の大我くんが映し出されて、
何も言わずにドアのロックを解除した。
ちょっとして家のインターフォンが鳴り、
玄関へ向かいドアを開けた。
大我「ども。」
「ふふっ。いらっしゃい。」
大我「うん。お邪魔します。」
ドアを開けると、
ニコッと微笑んで左手を軽く挙げた大我くんを見て
自然と笑みがこぼれる。
あぁやっぱり好きだなぁと実感してしまう。
恐る恐るリビングに入って
キョロキョロと周りを見回す大我くんが、
あれ？お兄さんは？と振り向いて聞いてきた。
「昨日から大阪のイベントに行ってて、
明後日帰ってくる予定で。」
大我「ふーん。曲作りしてたの？」
「あぁ……うん。
でも全然手につかなくて全くだったけど。」
大我「ふーん。そんな日もあるんだね。」
いや、そんな日ばかりよ？
適当にパソコンで音出したり
ギター弾いたりピアノ弾いたり……
それで、あっいいかもって浮かぶ程度だから。
それに、今日はあなたのせいで
何も手につかなかったのよ？
……とは言えない。
ソファに腰掛けた大我くんに何飲む？って聞くと、
トントンっとソファを優しく叩いて
こっち来てと言われた。
ドキッと高鳴る鼓動を抑えつつ、
言われた通り大我くんの隣に腰掛けた。
大我「はい。これ。」
「えっ？」
大我「誕生日、おめでとう。」
「あ、うん。ありがとうございます。」
忘れてた。
そういえば昨日誕生日だったな。
それどころじゃなかったから。
開けていい？と聞くと、うんと微笑まられ
ドキドキとワクワクの気持ちで渡された
プレゼントを開けた。
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作者名：popo | 作成日時：2023年1月19日 19時
