Recollection 〈1〉

49 ページ49

.
(you side)



目黒「ふふっ。で、目が合ってペコって頭を下げたらニコって微笑んで近づいてきて、カッコいいって苦労するんだねって言ってさ、あぁいう三軍にもなれねぇような底辺の男ほどダサいやつはいないよね。あんたさーもっとシャキッと背筋を伸ばして、一軍なら一軍らしくいな？なんなら私たちとてっぺん目指す？ってニヤッと笑うんだよ。でも俺素直じゃなくて、三軍のくせに偉そうなこと言うなよってAに言っちゃったんだよね。」


「へぇー。」


目黒「凍りついたわ。マジで。やってしまったと思ったもんね。だってさ、学校では地味で陰キャで誰とも話そうとしないAが、放課後だけイキってんだよ？あん時はその意味がわかんなかったからさ、すげぇこと言っちゃって。」


佐久間「あん時、マジでぶっ殺そうかと思ったわ。」


目黒「だよね。でもさ、Aは笑って、んだよ、ちゃんと言えんじゃん！面白ぇ！って怒りもしなくて。気に入った。あんたもSnowManねって勝手に決めてさ。ふざけんなよ！って言ったら、私が仲間だと思ったやつは絶対に仲間なんだよってニコニコしてた顔が真顔になって、悪いようにはしない。気が向いたら昼休み東館の屋上においでってみんな引き連れて行っちゃって。」


「凄い…傲慢だ。」


目黒「ふふっ。でも高校でちゃんとした仲間っていなかったから、なんか羨ましくて。屋上行ったら、待ってたよって。あとから知ったんだ。晴華のために三軍になりすましてたって。」


「え…。」


目黒「晴華が、一軍でいられるように自己犠牲だって。」


「……。」



佐久間大介の方を見ると、事実なのか、私の目を見て頷いた。


その話、してくれなかったじゃん。

50→←48

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す