【終わりのセラフ】第4章.柊暮人が愛しているのは吸血鬼になってしまった女

血.109Ｌ ページ6

【暮人side】



コツコツコツ…



地下に響く靴の音




ランプを持ちAのいる独房へと進んでいく




『く、れと？』



掠れた声が聞こえる




『う、ああああああああ!!!!』



激痛が体をはしったのか、悲鳴をあげるA




暮人「どうだ、A」



『くれ、とだ、暮人、暮人、暮人…』




半分壊れかけてるな、これは




暮人「なぜ《終わりのセラフ》を逃がした？」



喋るのが大変かと思い、独房の中へ入り呪符をはずす




ちなみにこの呪符には鬼との接触ができないようになっていて超強力なものだ




『優くんは皆を、助けるために《終わりのセラフ》になった、のよ』



回復していないため途切れ途切れになっている



『私は…そんな、優くんを助けたかった。彼の守りたかった家族も含めて』




『暮人の命令に背いたのは本当に、悪いと、思ってる、だからこうして、罰も』





暮人「…そうか、もう話さなくていい」




呪符は外したが足枷手枷は外していない




つまりAはあまり動けない




壁に手をつき、Aにキスをする



『く、れ、と』



暮人「A、誰の血を飲んだ？」




キスをした時に血の味がした


間違いなく誰かのを飲んでいる




『ごめんな、さい。吸血衝動に駆られて…』




暮人「誰の血を飲んだ」





『グレン』




暮人「あいつ…」




暮人「まあもういい、この独房から出してやる」




足枷手枷を外すと力なく倒れるA




それを俺はきちんとキャッチし姫抱っこをする






疲れたのか、それとも激痛のせいで寝れなかったのか、俺に抱っこされつつ眠りにつくA







そんな彼女のすべてが愛おしい





部屋に戻り、ベッドにAを下ろす






暮人「今はゆっくり休め、A」

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