血.143L ページ47
【暮人side】
暮人「俺の弱さから招いたことだ、落とすなら俺の首を落とせ」
言い終わった瞬間、また目にも留まらぬ速さで俺の背後に周り、首元を抱きしめながら首に刀を突き付けてくる
『動かないでね?簡単に首を落とされたくないでしょう?』
暮人「俺は四鎌童子に取り憑かれた。雷鳴鬼が今防いではいるが欲望が足りないらしい、だからその場にいた葵に…本当に申し訳ない」
刀を地面に落とす
分かってくれたのか、と思ったがそうではなかった
抱きしめられたまま、首を締められる
『ねえ、暮人り一緒にこのまま死んじゃおっか?私はあなた以外いらないの。その一心で今日まで生きてきたけど疲れちゃった。だからお願い。一緒に死んで』
首を絞めているAの手には全然力が込められておらず苦しくない
背中越しに感じるAの泣いている姿
心には罪悪感でいっぱいだった
そっとAの手を取り、俺の首元から外しちゃんと向き合って抱きしめた
予想通り、いつもの澄ました美しい顔はなく、幼き日に見た泣き顔だった
俺の軽率さが招いてしまった事態だ
ちゃんと優しく包み込むように抱きしめるとAは抵抗もせずに身を委ねた
暮人「俺は…Aのためなら死んでもいい」
『ダメ、ダメだよ暮人。あなたはこの国の王。死んではいけない人よ。私一人で死にたい』
『私にはあなたしかいないようにあなたにも私しかいないと思っていたのに』
肩を上下に揺らしながら泣いているAの頭を撫でる
暮人「本当に悪かった。仕方が無いとはいえAを待つべきだった。本当にすまん。…だから、死にたい、なんて言わないでくれ…」
自分の瞳から1粒の涙が伝う
それを見たAが優しく拭ってくれる
『…ごめんなさい。今回は仕方がないわよね。ただ、もう次からはやめて。本当にお願い。心がもたないわ。』
暮人「…ああ、善処する」
そう告げると安心したせいか、体に力が入らなくなってくる
Aが支えてくれるが意識がどんどん遠のいていく
その一部始終を見ていた葵はに寄ろうとしたがそれを手で制す
『ごめんね』
そういい、優しくキスを落とした
【No side】
暮人を何人かの兵士の力を借りて車に乗り込むA
『新宿へ戻る。車を出せ』
暮人の頭を自分の膝に乗せて頭を撫でる
『愛おしい…暮人』
彼女の呟きは無空へと散っていった
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愛乃(プロフ) - 申し訳ないです(;_;) (2018年6月8日 20時) (レス) id: 6dd3d06d42 (このIDを非表示/違反報告)
愛乃(プロフ) - 月影さん» ありがとうございます!できる限り精一杯頑張らさせていただきます! (2018年6月8日 20時) (レス) id: 6dd3d06d42 (このIDを非表示/違反報告)
愛乃(プロフ) - 葛城緋景さん» とても嬉しいです、ありがとうございます!!好きと言って頂けてとても嬉しいです!これからもよろしくお願いします。 (2018年6月8日 20時) (レス) id: 6dd3d06d42 (このIDを非表示/違反報告)
ユーカリ(プロフ) - そうですか……ありがとうございます♪ (2017年3月12日 17時) (レス) id: d72528eef7 (このIDを非表示/違反報告)
月影 - すっごく面白いです!終わりのセラフにハマりました!更新頑張ってください! (2017年3月12日 17時) (レス) id: 091673db49 (このIDを非表示/違反報告)
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