【終わりのセラフ】第4章.柊暮人が愛しているのは吸血鬼になってしまった女

血.106Ｌ ページ3

【貴方side】


グレン「…は？なんでだよ」




『…っ!!血の、匂いが、する』



喉が渇いている今の私に血の匂いを前にしたら理性が吹っ飛ぶ




グレン「ああ…、稽古の時に枝で切った」



手当てもせずにきたのね…


これ以上グレンが近付いてくると血を吸いそう



グレン「足も手も鎖で縛ってるんだから吸うことは出来ないだろう？」



やったことがないからわからない




そう言い、さっきよりも距離を詰めてくるグレン



本当に…









理性が吹っ飛ぶ









『ごめ、ん、グレンっ…』





グレン「…っ!!」



完璧に私に近づき血を吸える範囲に入ってしまったグレンの首元にかぶりつく




ゴクッ…




ゴクッ…



グレン「A…」


血を吸われているのにも関わらず私のことを抱きしめるグレン




ゴクッ…




ゴクッ…





『あっ…!!ご、ごめ』





グレン「別に俺は平気だけど」





グレン「それにわざと血を吸わせたし」






『なぜ？？そんなことしたら…』




グレン「別に俺の気分だ」





『ごめんなさい、実験の続きをして』





グレン「…ああ」




そう言うとグレは私の手首と首とお腹に呪符を貼る





瞬間、稲妻のような何かが、体に走る









激痛









『う…ああ、ああああああっ…!!!!!!』




苦しい、痛い、苦しい、暮人…





グレン「そのまま暮人が来るまで絶対に剥がすなよ」




『わか…って、る…ああああ!!』




独房から出ていくグレン





お願い…待って。行かないで、





一人にしないで…






コツコツコツ…






遠のいてくグレンの足音







ああ、また私は一人





今度は見張りの兵もいなくなり完璧な孤独







『く、れと…』






激痛が走るが気にせず暮人の名前を呼んだ

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