Anti［Second］-HSJ-

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SIDE＿Ryosuke


虻「蝉…」
涼「………。」
虻「俺が拾って、ここまで育ててやったんだぞ？
　 恩返しをしなさい。」


恩返し？

恩返しも何も、恩なんて1つも貰ってない。
だから、返す義理も義務も何もない。


なんて思えるようにはなったけど、まだ怖い。
その証拠と言ってはなんだが、腕を抑えていないとその震えが視認できてしまうぐらいには怖い。

それプラス、呪術を無理に使いすぎたせいか体が馬鹿みたいに重たい。


だけど、そこで引き返してはいけない。


虻が居なくなれば、俺の居場所はいよいよなくなる。

それでいい。


もう罪のない人のことは殺したくないんだよ。


獣人は何も悪いことをしてないのに。
守ろうとすることが正しいはずなのに。


涼「……この世界は狂ってる。」
虻「この世界が？笑わせる。
　 狂ってるのはお前らだろう？」
涼「じゃあ答えてください。教えてください。


　 彼らは何かしましたか？
　 俺は何かしましたか？


　 答えはNO。
　 お前に道具みたいに扱われて、こんなに優しくて大好きな人達を殺せだなんて言われて、もう限界なんだよ！！



　 俺はお前の道具じゃねぇ！
　 俺達は人間様の都合の良い召使いじゃねぇんだよ！！



　 俺は俺の生きたいように生きる！

　 今まで、お前に尽くしてきた自分に反吐が出そうだよ！！！」





この世界が……否。





涼「お前のことなんて、大ｯｯｯ嫌いだ！！！」





この世界は悪いもんじゃない。
そう教えてくれたから、嫌いだなんて言えない。

俺が、俺達が嫌いなのは世界だなんて漠然としたものじゃない。



人間“サマ”。そうだろ？



涼「……今まで、ありがとうございました。」
虻「おい、涼介ｯｯ…！」







涼「もう二度と、この世に姿を現さないでください。」







さっさとくたばりやがれ。



この世界の失敗作が。







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