弱い姿は貴方にだけ＿cn×rd ページ23
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「らっだぁー？ どこー？」
数ヵ月の出張から帰ってきて、玄関を開けても彼の姿はない。まあいつもの"あれ"だろうと考えつつも、声を上げて玄関へと上がった。
居間にも、そこに繋がるキッチンにも居ない。けれど電気はつけたまま。
トイレもお風呂も、彼の部屋も見たけれど何処にも居なかった。しかしやはり全て電気がつけっぱなしだった。
ならもう残る部屋は一つだ。ぎしりぎしりと床をきしませ、その部屋に行く。がちゃりと扉を開くと、その部屋だけ真っ暗だった。手探りでスイッチを探して電気をつける。
すると現れる、服等が辺りに散らばった俺の部屋。
散らばったと言っても少しだけで、他の服は何処へいったのか。
その答えは、きっとベッドの上の膨らみにある。
「らっだぁ」
そう言って、盛り上がった布団を少し取ると、子供っぽく、きょとんとして目の周りを赤くさせている俺の恋人、らっだぁが居た。
らっだぁは自身を守るかの如く俺の服を自身に巻き付け、俺の布団にくるまっていた。
その横に座り、彼を呼ぶ。
「おいで」
そう言ってにこりと笑うと、衣類を纏ったまま、ゆっくりと四足歩行で近づいてきた。
同じベッドの上だからそこまで距離はないけれど、とても遅くゆっくりゆっくりと近づいてくる。
しばらくすると、ちょこんと俺の腕の中に入り込んできた。そのまますんすんと鼻を鳴らす。
「あれ、俺臭かった？」
出張から帰ってきてお風呂入ってないからなぁと続けたが、らっだぁはふるふると横に首を振った。
「こんちゃんの、におい、すき」
そう言ってまたすんすんと俺のことを犬のように嗅ぐらっだぁ。単語を切ったような喋り方をしている。
らっだぁはたまにこうなるのだ。甘えちゃならない。迷惑かけられない。と、辛いことや苦しいこと、言いたいことを飲み込むから、たまにこういう形で爆発してしまう。普段から甘えられても全然大丈夫だけど。
今回はいつもより酷い。きっと俺が出張に行っていたから、ずっと一人待っていたんだろう。
ここは北海道。他の友人はみな関東関西ばかりで会うこともできないのだから、ずっと一人で俺の帰りを。
そう思うとこちらも胸が苦しくなってくる。
そしてこの状態でもらっだぁは思いを喋ってくれない。あと一押し。
「らっだぁ、なんかあったの？」
そう聞くと、青く綺麗な瞳に、今にも溢れそうな涙を溜めながら首を横に振った。
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ノア(他にいい名前が無かった)(プロフ) - mdrd見てみたいです！ (2020年6月17日 19時) (
レス) id: d1ff9fd6ac (このIDを非表示/違反報告)
モイチ(プロフ) - お話の書き方すごく好きです。フラグは多分「殺 す」が入っているからだと思います。漢字と平仮名の間に空白入れると引っかからないと思います (2020年2月4日 23時) (レス) id: 9441daae19 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜白猫(プロフ) - リクエストって受け付けてます？もし受け付けてたらoirdとkbrd(こばさん)お願いします(ほんとに出来たらでいいです) (2020年1月22日 14時) (レス) id: bbea5cc7f2 (このIDを非表示/違反報告)
momo消しゴム - 面白いですね！もはや始まりの部分から読むのが止まらなくなりました！更新頑張ってください！ (2020年1月19日 19時) (レス) id: b2b1475c20 (このIDを非表示/違反報告)
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