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・わたしが同意したことにシャオロンサンは人が変わったように笑顔で頷く。
やさしいのかと思ったら急に怒り出すし、確かに感情の揺れが激しい。でも、わたしが肯定を示せば目に見えて危害はすくなくなりそうだ。
「じゃあこっちきいや」
今度は逃げられぬようベルを取り上げられ、後ろからシャオロンサンに押される形でどんどんベッドに近づいていく。
乱雑にシーツだけかけられたベッドを目の前にして、底知れぬ恐怖が、わたしを覆った。
「あㅤ泣いちゃった」
まるで自分のせいじゃないと言わんばかりに呟くシャオロンサン。そんな姿もかわええな、なんて聞きたくもない言葉が室内に溶けていく。
わたしだってほんとうは泣きたくないし。
肩に添えられていたてのひらがするりと上り、わたしの首元へ。ひとのあたたかさなんて微塵もないつめたさが迸り、思わずてのひらから逃げるように身体を動かした。
「いま逃げた？」
「や、にげてない...です」
首をぐるりと囲むようにシャオロンサンの手が絡められる。
チョーカー越しに気道がせまくなっていく感覚。「次にげたらお仕置でいいかな」と悪魔みたいな囁きが酸素の足りない脳に響いて、首絞めはおしおきに入らないのかとぼんやり考えた。
「ぁㅤたす、 」
「おれの部屋に入れるんはしかばねちゃんだけなんやで。だから助けが来るなんて考えんといてな」
徐々に息がしづらくなって、力を込められた皮膚が擦れていたい。ぁとかぇとかかすれた声しか出せなくなって、意識が遠くなっていく。
やばいかも、これ。
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作者名：眼窩 | 作成日時：2022年9月4日 5時
