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テレビドラマが終わって、涼くんを見ると、まだすやすや眠ってた。
気が引けるけど、起こそうかな。
「涼くん、ベッドで寝よ?」
「ん…あ、はい、」
寝ぼけ眼で、涼くんは立ち上がり、ベッドに倒れ込んだ。
隣に私も横たわると、涼くんは私の方を見て言った。
「元カレ、優斗さんって言うんすね。」
「もしかして…聞こえてた?」
「ふふ、ごめんなさい。」
「いや、大丈夫だよ。…私、まだ忘れられなくって。情けない。」
涼くんは私の手をベッドの中で探して、ぎゅっと握った。
「優斗さんと、俺。重ねていいですよ。寂しかったら、俺を甘やかしてください。俺は、Aさんの犬だから、ね。」
そう言って、微笑む。
優斗と涼くんを重ねてしまう私の罪悪感に、気づいてたの?
「ありが、と。」
私は涼くんの手を握り返して、涼くんの方に寝返りを打った。
涼くんは私の優しく頭を撫でると、すーすーと寝息を立てた。
土曜日、目が覚めると8時だった。
涼くんには、申し訳ないから土日の朝ごはんは大丈夫だよって言っておいた。から、涼くんはまだ隣で眠っている。
「ふぅ、」
久しぶりに朝食を作ることにした。
ココ最近、炊事洗濯掃除、全て涼くんに任せきりだったから。
「ん〜、あ、おはようございます。」
フレンチトーストを焼き終えると、涼くんが起きてきた。
「ふふ、おはよう。朝食出来たから食べよう?」
涼くんは、1口食べると、甘くて美味しい、とニコニコした。
「今日さ、どっか出かけない?天気いいし。」
「あ、いいと思います。買い物とか、付き合いますよ。」
買い物ねぇ…。
「涼くん、なんか欲しいものとかない?なんでも言って。」
「強いていえば、服、かな…けど、なくても元カレさんので全然間に合ってますから大丈夫です!」
確かに…
優斗の服ってちょっとダサいよね。付き合ってた時から思ってた。
涼くんは、きっとお洒落さんだからあんまりいい服がなかったのかも。(笑)
優斗のファッションセンスを思い出して私は少し笑いそうになって言った。
「服、買いに行こう。ちょっとダサいよね、優斗の。(笑)」
「いや、けど悪いですって、」
「気にしないで。私は涼くんの飼い主だよ?好きな服を着せてあげたいし、好きなものを買ってあげたいの。」
そう言うと、涼くんは申し訳なさそうに頷いた。
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とら - 作者様のペースで頑張ってください (2018年12月11日 16時) (レス) id: 3a2e556842 (このIDを非表示/違反報告)
朱莉(プロフ) - ☆*:.。. さやちゃむ@スノガール.。.:*☆さん» ありがとうございます!これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2018年11月28日 7時) (レス) id: ed21133e43 (このIDを非表示/違反報告)
☆*:.。. さやちゃむ@スノガール.。.:*☆(プロフ) - こんにちわ!初めまして!わんこのはしもっちゃん可愛い−♪この小説大好きです! (2018年11月21日 17時) (レス) id: 93189b2c54 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に思う人もいます (2018年11月13日 19時) (レス) id: dec7d66ce7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱莉 | 作成日時:2018年11月13日 18時