51 ページ4
『暖炉に火をつけたはいいけど……ここからどうするの？』
光「うーん…………」
腕を組んで、光くんは私の問いに考える。
光「………Aさん」
『な、なに？』
突然声をかけられ、私は慌てて振り向く。
光「ここって、さっきの部屋の真下ですよね？」
『たぶんそうだと思うよ』
光「だとすると………」
光くんは少し考えたあと、ニヒルな笑みを浮かべて顔を上げた。
光「わかりましたよ。Aさん」
『え？』
まだわからない私に、光くんは問いかける。
光「暖炉と言ったら、なんだと思いますか？」
『えーっと……火が、上にのぼる……？』
光「正解です。だとすれば……？」
『火が上にのぼる………あ！あの額縁！』
私の言葉に、光くんは満足そうに頷いた。
光「三階に行きましょう」
『うん！』
部屋を出て三階に続く階段を上り、例の部屋に入る。
『光くん！あれ！』
光「やっぱりそうでしたね」
光くんの考え通り、額縁には暗号が浮き出ていた。
『火を当てることで浮かぶ仕組みだったんだね』
光「そうみたいですね、紙質がそんな気がしたんです」
光くんの日頃の観察力が、ここでも役に立っているようだ。
そのことに、私は感心する。
『2、9、0……また数字かぁ』
光「今のところ、数字を使うところは見当たりませんけどね……」
その言葉に、私は頷いた。
『まあ、番号はわかったことだし、他の手がかりを探そうか』
光「はい、そうしましょう」
私達は部屋から出て、他の部屋に向かうことにした。
だが、すでに調べ終えた部屋に行っても、なんの手がかりも見つからなかった。
『完全に行き詰まったね……』
光「そうですね……ですが、まだ行ってない部屋が、一つだけあるんです」
『行ってない部屋？』
私の問いに、光くんは頷いた。
光「ここ、別館に来たときに、一番最初に行った部屋です」
『えーっと……あの真っ暗な部屋のこと……？』
別館に入って一番最初に見つけた、すぐそばにあったドア。
そこに入ったはいいものの、真っ暗でなにも見えず、ライターのオイルまで切れてしまったのだ。
そのため、私達はその部屋は探索せず、別の道を探したのだった。
光「そうです。今はライターオイルも見つかったことですし、部屋に入ってライターの火を灯せば、探索することが可能なんです」
少し迷ってから、私は頷いた。
『それなら行こう！二人一緒なら、怖くないもの！』
光「はい！」
私の言葉に、光くんは嬉しそうに頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水無月梅雨(プロフ) - 風丸さんと円堂さんが死んで、その次は推しのヒロトくん！号泣しました。一星くんと両想い、おめでとう (2020年8月17日 14時) (
レス) id: 94c4844f93 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 良かった…ちゃんと、かえって来てくれた！ (2020年6月19日 19時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶之夢 - 風丸と円堂、ヒロトで大打撃なのに次は誰が死んじゃうのよ!更新頑張ってください！ (2020年6月15日 21時) (レス) id: c7cfce80ec (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 光くん、ずっと守っていてくれてかっこいい！最後光くんが部屋から出ていっちゃったけど、どうなったんだろう。更新頑張って下さい(^o^)/ (2020年6月6日 18時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 光くんむっちゃほんとにかっこよすぎる………Yニャンさんのお話ほんとに大好きです……！更新頑張ってください( *´艸｀)応援しています！ (2020年6月4日 12時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
