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彼が部屋を出ていったあと、私は何度もタンスの扉を開けようと試した。
だけど、いくら押しても引いても、扉は開かなかった。
一体どんな閉め方をしたんだろう。
そうこうしているうちに、ただ時間だけが過ぎていく。
彼はまだ、戻ってこない。
『光くん...』
思わず彼の名前を呟く。
こんなことをしたって、無駄だってわかってるのに。
真っ暗なタンスの中で、私はこの館からの脱出方法を考える。
せめて、少しでも役に立ちたかったんだ。
私は光くんよりも年上で、先輩なのに...。
守ってもらってばかりだ。
『っ、私が泣いてどうするのよ...私のバカ』
勝手に溢れてくる涙を、私は強引に拭った。
なんで泣いているのかわからない。
こんな自分が情けない。
だけど、
『光くん、早く戻ってきてよ...』
早く戻ってきてほしい。
その気持ちが一番大きかった。
彼になにかあったらどうしよう。
なんて思いながら、私は彼が無事に帰ってくることを祈ることしかできなかった。
...どのくらい時間がたったのだろう。
少なくとも20分ぐらい、私はタンスの中に入っている。
彼はまだ、戻ってこない。
いくらなんでも、戻ってくるのが遅すぎるような気がする。
私はますます不安になる。
だけど、信じるんだ。
"俺を信じてください、A"
この言葉を言ったときの、彼の表情が忘れられない。
とても優しい目をしていた。
柔らかく微笑み、優しい眼差しを私に向けてくれた。
あの告白だって、私は忘れない。
彼が無事に戻ってきたら、ちゃんと返事をするんだ。
だから、
『私、ちゃんと待ってるよ。"光"』
そっ、とタンスの扉に手のひらを当てて、私はぽつりと呟いた。
と、その時だ。
『！！？』
部屋のドアが、ぎい、と音をたてて開いたのがわかった。
ドアを開けたであろう人物の足音が、タンスの方まで迫ってくる。
青鬼かもしれない。
光くんは、まだ戻ってきていないのに。
私は覚悟を決めた。
タンスの扉が開く。
長い間暗い中にいたせいか、思わず目が眩む。
ああ、もうだめだ。
そう思っていたが、
「A！」
私の名前を呼ぶ声で、私は目を開けた。
聞き覚えのある優しい声。
そしてなにより、私の大好きな人の声。
「大丈夫ですか！？」
必死に走り回ったのだろう。
かなり息を切らしている。
目が慣れていき、徐々に姿が見えるようになる。
嬉しさに、勝手に涙が溢れ出す。
『光くんっ！』
私は彼の名前を呼んで、飛びついた。
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水無月梅雨(プロフ) - 風丸さんと円堂さんが死んで、その次は推しのヒロトくん！号泣しました。一星くんと両想い、おめでとう (2020年8月17日 14時) (
レス) id: 94c4844f93 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 良かった…ちゃんと、かえって来てくれた！ (2020年6月19日 19時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶之夢 - 風丸と円堂、ヒロトで大打撃なのに次は誰が死んじゃうのよ!更新頑張ってください！ (2020年6月15日 21時) (レス) id: c7cfce80ec (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 光くん、ずっと守っていてくれてかっこいい！最後光くんが部屋から出ていっちゃったけど、どうなったんだろう。更新頑張って下さい(^o^)/ (2020年6月6日 18時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 光くんむっちゃほんとにかっこよすぎる………Yニャンさんのお話ほんとに大好きです……！更新頑張ってください( *´艸｀)応援しています！ (2020年6月4日 12時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
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