132. 2018年1月27日_ ページ39
2018年1月27日
それはあまりに突然の出来事だった。
「やぁ…、睦月。11年ぶりだね」
「!!…、貴方は――」
「そしてまた会ったね、A」
『……』
久禮田家の双子の前に現れたのは、宿敵の相手である神無月。睦月と共に行動していた五条と七海は、すぐさま奴の行動を警戒するが、Aはいたって冷静だった。
「まさか双子が勢ぞろいするなんて、運が良すぎるよね」
『……』
神無月は意気揚々と、術式を展開しその場に改造人間を召喚する、しかし―…
『邪魔』
「「!!」」
Aはそれら全てを、自身が召喚した怨霊2体で瞬殺した。
「…ほう?A君はまさか―…、"呪い"を解いたのかな?」
『…まさか』
何の御冗談を…、とAは神無月を嘲笑う。だがその態度が気に食わなかったのか、神無月は苛立ちを露にした。
『…、睦月』
Aは睦月の方を振り返ったかと思うと、そのまま彼女の身体を突き飛ばした。それと同時に二人の間を引き裂くように、強力な結界が張られる。
「!!…、待って!!A!」
『…これしか、方法がないんだ』
Aの方には神無月がおり、まさか彼女は―…1人で神無月と対峙するつもりなのか、と五条達も焦り始める。
「やめて!!」
『睦月』
目の前に張られた結界を挟んで向き合う双子。睦月は自身の呪具で破壊を試みるも、びくともしない。
『―…またね』
それは呪詛師によって公開処刑された時と、全く同じセリフで。次第に2人を阻む結界は黒く染まっていく。
『後は頼んだよ―…、
「!!」
Aのその呟きと同時に、睦月の元に召喚されたのは―…孟婆と呼ばれた忘却をつかさどる神が時を経て姿を変えた怨霊。
「我の術式は―…、対象の記憶を改変させることが出来る。改変した記憶に合わせて、都合よく周りの人間の記憶や物質まで変化する」
我は―…Aの願いを叶える。そう言って、孟婆は睦月達3人に術式を展開させた。
そして彼らの記憶から――…
久禮田家のこと、
睦月とAが双子の姉妹であったこと、そして―…
久禮田 Aがこの世界に存在していたこと、
それらに関する全てを奪うのだった。
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作者名:Haru yama | 作成日時:2022年2月5日 19時