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128. 単独行動 ページ35

ちょうどいいタイミングで、七海から連絡が来たことにより、Aは睦月に『用事が出来た』と適当に理由を言って、その場を離れた。

それからというもの、Aは睦月を適当にあしらうようになり、だけどそれは決してあからさまではなく。本人に感づかれない程度に距離を置くようになってしまった。


この些細な会話が―…後に、Aの覚悟を決定づける出来事になるとは、誰も知る由もない。

――

一月も中盤に差し掛かり、Aは七海が任務の時は同行し、それ以外の日は1人で行動することが増えていた。
勿論その単独行動を怪しむ五条達だが、当の本人は何も言わないし、第一、例の呪詛師の情報も一切呪術高専に入ってくることはなく。そもそも、例の呪詛師と上層部が癒着関係にある以上、情報自体が入手困難であり、五条達は二階堂の情報網に頼るほかなかった。


〈…で?Aは相変わらず単独行動をしてる感じですか?〉

「あぁ…、行動が全く読めない」


夜蛾と会話をするのは、ビデオ通話でやり取りしている二階堂だ。


〈…元々高専在学中から、単独行動を常としていましたからね。彼女を束縛するなど、不可能だと思いますよ〉

「だがそれではいつ例の呪詛師から狙われるか…」

〈A曰く、単独行動時は東京郊外に出ている、らしいですよ〉

「…?どういうことだ?」

〈彼女が常に「人の負の感情」を浴び続けている、というのは御存知ですか?〉


その言葉に夜蛾は目を見開く。そして二階堂も、A自身が情報を開示しなかったことを知る。
そこで二階堂は、自分が把握している範囲ではと、と言って夜蛾にAの事を説明した。
その話を聞いた夜蛾は、深く息を吐き、頭に手を添える。


「…つまり、「人」に溢れる東京は、Aにとっては生き苦しいと」

〈そうですね…、彼女の本音はその場に居続けること自体が、嫌なんでしょうね〉

だけどそれでも東京から移動しないのは、俺達の意図を知っているから。


〈…本音に従うことなく、俺達の想いを優先にしている〉

「……」

〈それって…、本当にAの為、になっているんですかね〉

本音を抑制してまで、俺達の想いに応えようとしているA。だけど最近になって、Aは私を避けるような仕草をするようになったと、睦月から相談を受けた。2人の間に何かあったのではないか…、そう思えてならない、と二階堂は口にする。

129. 避けられない戦い→←127. 「人」に対する感情の相違



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作者名:Haru yama | 作成日時:2022年2月5日 19時

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