混血のエルフ３【指輪物語】 (ページ48)

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3-16. 陽動作戦ページ48

部屋にはアラゴルンとレゴラス、ギムリの姿があった。

『これからどうする？』

｢モルドールの黒門に攻め込む。私達が囮となり、サウロンの目を引き付けるんだ｣

｢…勝機を求める戦いではない｣

｢Aは…、やはり来るのか？｣

アラゴルンの問いかけに、当然の如くAは頷いた。

『当然だろう？アイツが朽ちる姿をこの目で見届けるために』

それは大いなる賭け。この世界が光の世界になった時、どちらが先に朽ちるか、サウロンが朽ちるのが先か、Aが死ぬのが先か。

｢……A｣

『無駄死にするつもりはない。最初に言っただろう？オレはフロドと運命を共にすると』

この旅の目的。それは、フロドが指輪を葬り去るその時まで、ずっと戦い続けるということ。

『…万が一、オレが死んでもその遺体は回収するなよ』

｢！｣

『それが闇に堕ちた者の定めだ』

ここ最近になって、彼は良く笑うようになった。だがかつてのエメラルドグリーン色の瞳ではなく、紅い瞳を宿し、顔にはいくつもの焼け爛れが起きていた。
エルフで美形なはずが、その顔つきは傷を覆っていた。

｢その手を、決して離しはしない｣

『…そうか』

握られたその手に、Aは頷いた。