混血のエルフ３【指輪物語】 (ページ46)

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――…

可能な限りレゴラスの近くで敵を斬り伏せていくが、やはり興奮が抑えきれなかったようで、次第に容赦なく魔法を使うようになっていく。
紅い瞳を宿したAには今や、天候をも操れるようになっており、容赦なくあらゆる所に落雷や竜巻を発生させていた。
レゴラスは数を数えながら的確に敵を射抜いていた。そう遠くないところにいるギムリも同様に次々と斬り伏せていく。

｢レゴラス！｣

アラゴルンの叫ぶ声が聞こえる。
振り返ればそこには巨大な獣がこちらへ突進してきていた。大きな耳と長い鼻を持ち、足元の兵や馬を次々と踏み潰していく。頭を振りかぶればその牙でまるでゴミのように、味方の身体が吹き飛ばされていった。上には船のようなものがついており、そこには狙撃兵が数多く乗っていて、そこから命を狙う者もいた。

｢A！行くな！｣

だがレゴラスが動く前に、Aはその巨体へと駆け出し、うまくその身体に取りつく。
刺さった矢を足場にして上へと登っていき、狙撃手には落雷で感電死させる。
櫓の下に潜り込み、勢いよくその支えのロープを断ち切った。支えを失った櫓はぐらりと揺れ、重力に逆らうことなく地面へと落ちていき叩きつけられた。
いくら巨大な獣でも頭を襲われればひとたまりもない。力強く頭を射抜かれた獣は、轟音を立てて崩れ落ちた。

降りてきたAにレゴラスが駆け寄る。

｢…無茶しすぎだ｣

『結果倒せたのだから問題ない』

その後、最強の死者の軍勢により戦況は大きく覆され、沢山の犠牲者を出したペレンノール野の合戦は人間側の勝利となった。