混血のエルフ３【指輪物語】 (ページ28)

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3-4. 最初で最後ページ28

やがて彼らは澄み切った大草原を駆け、エドラスの黄金館へと戻った。
王宮では正式にヘルムの勝利と王の復帰を祝って、大規模な祝賀会が開かれていた。
Aは宴をしている彼らとは離れ、1人馬屋で玉龍とともに夜空を見上げていた。

『…便利な眼だな、これは』

エメラルド色から、血のような真っ赤な瞳に変化しただけでなく、目には見えない力の類が認識できるようになっていた。それは色で識別され、アラゴルンやガンダルフ、レゴラスやギムリは光り輝く、オーラを放っており、逆に自分は紫色のオーラを持っているようだ。

『玉龍は、レゴラスと同じ色だ。俺色には染まらない…、染まらせないよ』

闇に落ちるのは自分だけでいい、と言い聞かせるように、玉龍の鬣に指を通す。

『…フロドは大丈夫、サムと一緒だ。風が教えてくれたよ』

独りごとのように、玉龍に語り掛けるA。サルマンを自らの手で殺したことにより、心にぽっかりと穴が開いてしまったように思えた。思考があまり働かない。

｢…ここにいたのか｣

『？』

そこへ、宴を終えたレゴラスがやってくる。若干酔っているようにも見られた。

｢私たちを避けてないか？｣

来て早々、レゴラスはAを背後から抱きしめてくる。

『…なぜ？』

避けていることは事実だが、それは…。

｢サルマンとのつながりは切れたんじゃないのか？｣

『…切っても切れない、関係だよ。彼ら、とは』

Aはレゴラスを見る。やはり、赤く染まった瞳で見られると、どんな人種であっても怯えたりするだろう。若干、彼の体が震えているのを感じ取った。