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2-30. 二つの塔・完 ページ22

アラゴルン達と共に砦へと戻ると、エオウィンが階段を駆け下り、両手を広げて軽々と飛んで行き、アラゴルンの元へとおさまった。


彼は喜びに咽ぶエオウィンをどうしていいか分からず、ただ抱き締められるままになっていた。




それを横目に見るA。
やはり、こんな光景を目撃しても何も感じない自分がいて、思わず笑う。



「A!!」
が、それも束の間、後ろの方から並み居る兵士達をかき分けて、Aと同じ金髪が飛んできた。


『…レゴラス』



レゴラスはAの存在をしっかり確かめるように抱きしめると、計り知れない喜びを表した。



そして、Aが何か言おうと口を開いた時、彼は燃えるような愛情をもって、口づけをした。





アラゴルンとエオウィンは突飛なレゴラスの行動に、すでに抱擁を解き、唖然としていた。
激しく衝動的な激しいキスだった。
だが、A自身はいやがる様子はない。



「無茶しすぎだ…、全く」



彼はAを引き剥がすと、本当に心配していたのかAの頬を掴み、引っ張り悪戯っぽく笑う。


『…ごめん』


Aが申し訳なさそうに謝ると、レゴラスは彼の頭を撫でてギムリの元へ走って行った。









そしてガンダルフと再開した一行は、馬を進め、山間のモンドールが見渡せる場所にいた。



「サウロンの怒りは激しく、その報復は速やかだろう」



ガンダルフは重い口調で言った。



「ヘルムの戦いは終わった」


「だが、中つ国全体の戦はこれからだ」




セオデンが言葉を続けた。








モンドールの火の山は激しくマグマを吹いているのが、ここからでも見渡せた。







Aは戦いが終わってからずっと、遠くを見つめていた。









彼にとっての戦いは―…始まったばかりだ。









【二つの塔】完結(2021.3.29)

3-1. オルサンクの塔→←2-29. 勝利の雄叫び



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作者名:Haru yama | 作成日時:2021年3月13日 18時

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