混血のエルフ３【指輪物語】 (ページ19)

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アラゴルンが今まさに、ギムリを石橋に向かって放り投げた時、頭上から何かが降ってきた。
それがすぐにAだと気付いたアラゴルンは目を見開きながらも、自身も狭い石橋へと飛び移り、長剣や斧を左右に振ると、無数のウルク･ハイを門を背に、崖へと突き落した。

｢全軍退却！！｣

横木を片手に必死に応戦する兵士達の間を縫って、セオデン王の悲痛な命令が下った。

｢アラゴルン、ギムリ、退却だ！！｣

セオデンが割れた木戸の間から顔を覗かせ、悔しそうに命令した。

是が非でもと城門へ向かうウルク･ハイを斬り倒していた二人は、剣を下ろしその声の方を向いた。
だがその少しの油断で、二人は背後から迫っていたウルク･ハイに首を絞められ、動けなくなってしまう。

『…！！』

彼らが振りほどこうとジタバタしていると、もっと前で戦ってAが気づき、彼らの元へ駆けつける。

そして、二人の首を絞めているウルク･ハイの背後から、思いっきり襲い掛かり、首を短剣で貫く。
彼らから放させると、石橋に転がっているその大柄なウルク･ハイを足蹴りして、崖から突き落とした。

そして未だに押し寄せてくる敵に、長剣を振り回しながら斬りつけていく。

｢アラゴルン、ギムリ！！｣

上階からレゴラスがロープを二人に放ってよこした。

｢おい、もう一つ縄をよこせ！！｣

レゴラスは横のエルフの兵士が持っていた縄を、続けて放り投げると城門を死守しているAに｢引き上げるように｣命じた。
彼は縄を掴み、ギムリを小脇に抱えると壁を伝って登り始めた。

アラゴルンの横では、Aも縄を手繰り寄せて、城壁を登り始めていた。

｢城門が破られた―…、敵が侵入するぞ！退却！！｣

次の瞬間、完全に扉が破られて怒涛の勢いでウルク･ハイらが砦内に侵入してきた。

｢急げ！城の中に入れ！！｣

セオデンの部下の声が暗闇に響いた。