7話 12年前の真相 ページ9
『私の家系は―…、久禮田家は代々呪詛師を輩出する一族だった。「非術師を抹殺し呪霊が支配する世界を作り出す」ことを一族の信念と掲げて、幼少期から「非術師を殺す為」だけに生かされ、反発すれば例え身内であっても殺される』
「……」
高専に入学してすぐに、上がAの存在を危険因子と捉え、あらゆる手段を講じて任務の中でAを殺害しようとした。
そして―…12年前の事件が起きたのだ。
『…上の命令に従い、私は久禮田家宗家分家を殲滅した』
「!!」
つまりAは―…自ら親族全員を手に掛けた。
『だけど先ほど話した通り、久禮田家は非術師の家系として伝わっている。その情報を利用して、連中は私を「
あとは君達が知る通り…、そう話を終えると、Aは小さく息を吐いた。
「…今は呪詛師として、動いているの?」
『私が殺すのはあくまで、「呪い」と「人」だけだよ』
フッと笑うAの表情はどんな感情を抱いているのか読み取ることができない。さらに当時からずっと身に付けている右顔面を覆う仮面は、時折怪しく光る。
「実力の偽装は…、事実か?」
そして当時から噂になっていた、Aの実力について。
『…偽装?どう伝わっていたの?』
「当時、お前は3級呪術師として登録されていたはずだ。だが、お前が一般人を殺害したという情報と共に、1級呪術師を殺害したとされている…。それは事実か?」
『あー…』
夜蛾の問いかけに、どうも答えにくそうな反応をする。
「…事実なのか?」
『…半分嘘』
「何が嘘?」
『1級呪術師を殺害したこと』
「…事実は?」
『私はその呪術師を殺していない』
「!!」
「…つまり、その情報自体が嘘だったというのか」
『そうでしょうね。追放するに確実な理由が必要だったんでしょう』
笑ったかと思えば、Aは一気に五条達から距離を取る。
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作者名:Haru yama | 作成日時:2021年3月8日 0時