5話 呪詛師 ページ7
「お前…、今までどこに…」
『君には関係ないだろう』
五条の言葉を遮るように、彼女は冷たく言い放つ。穏やかではない雰囲気に1年生たちは黙り込む。
「関係あるだろ…!!突然、"俺"の前から消えて―…」
『別に君とは何ら深い関係ではなかったはずだが』
感情が一切籠っていない言葉に、五条は驚きを隠せないでいる。
『先週君に遭遇した後、色々調べたけど…。相変わらず高専はクズだよね』
「!!」
話に全くついていけない五条は、困惑気味。
『呪詛師の私を捕らえなくていいの?』
と言いかけて、彼女は虎杖に目を向ける。
『あ、君が宿儺の指を食べた子?』
「!!」
彼女の言葉に虎杖を除く3人が警戒態勢に入るも、先程までの冷たい雰囲気から一変した。
『宿儺くらいの「呪いの王」なら、"私達"を確実に殺してくれるかな』
「…お前、さっきから何を言って…」
『せっかくだし高専連れてってよ』
五条の問いかけに対して、のらりくらり話題を逸らすAに、息を吐くと彼女の腕を掴む五条。
「高専に連れてくけど、12年前の事全部話してくれるんだろうな?」
『話したところで、今更信じないでしょ』
「…上に嵌められたのか?」
Aは何処か呆れたように言うが、五条の言葉に若干反応する。その反応を見た五条はある微かな核心を得る。
「(…上の連中とAとの間に何があったのか…、真相を探る必要がある)」
すると五条は彼女の手を握った。
「ねぇ、高専連れて行ったら、僕と付き合ってくれる?」
『…何で?』
「12年前の返事、まだ聞いてない」
『…そう言えばそうだね』
フッと鼻で笑われるも、その手を振り払うことはされなかったので、五条は笑顔になる。
「よし!んじゃ悠仁達も帰ろうか!!」
そして高専組4人と呪詛師のAは、高専へと戻るのだった。
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作者名:Haru yama | 作成日時:2021年3月8日 0時