片割れの呪術師【呪術廻戦】 (ページ38)

今日:11 hit、昨日:25 hit、合計:143,622 hit

【過去編】7話　教室ページ38

それからまた数日が経ち、誰もいない教室でぼんやりと外を眺めていたA。そこに顔を覗き込んでくる蒼い瞳に、Aは視線を逸らした。

｢何やってんだよ｣

『そちらこそ』

｢暇つぶしに来た｣

ガタガタと椅子を寄せてAの前に座る男は、Aから目を離そうとしない。

『…なに？』

｢…いや、なんか―…｣

『サングラスは？』

｢サングラスしている方がいい？｣

Aは五条と目を合わせようとはしない、ずっと窓の外に目を向けている。

『どっちでもいい』

｢…でも目を合わせてくれないのか｣

『目を合わせたいなら、サングラスを付ければ？』

｢……｣

五条は渋々サングラスを取り出す。それを横目で確認すると、ようやくAは五条の方を向く。

｢A｣

『なに』

｢…何か悩みあるなら聞くぞ｣

『明日、槍でも降るの？』

｢人が真剣に聞いてんだよ｣

『悟が悩み相談を開くなんて、明日の天気が気になるな』

｢…おい｣

『何もないよ、悩みなんて』

｢んじゃ聞き方変える。Aはあの時何をした？｣

『えぇ、もう終わった事じゃん』

何も話すことはないよ…、そう言って話を逸らそうとする。