24話 夏油傑 ページ26
「…Aは呪術界から追放された身だ。だから君は立場を選べるはず」
『そうだね。実際、12年前に呪術界から追放された以上、呪術師にはなれないね』
「……、だったら尚更私と共に行こう」
『その誘いは嬉しいけど…、もう手遅れなんだよ。傑』
その時、夏油はAの気配が変わったことに気付いた。突拍子もなく―…尋常じゃない呪力放出が起きていることに。
「…A?」
『私はもう―…、君達の知る「久禮田 A」ではない』
「!!」
夏油は目の前にいるAの身体が歪み、呪霊へと変貌していく。
「…誰だい…?Aの身体を乗っ取った―…」
『傑』
Aはあの頃と変わらぬ声色で、夏油に声をかける。
『今回は見逃してあげる。だから今すぐ―…この場から離れて』
「!!」
『…早く、奴らが―…来る』
Aは夏油に手のひらを向け、呪力で彼を自分の傍から遠ざける。
「A!!」
『またね』
その彼女の言葉を最後に、夏油の目の前でAの肉体は呪霊へと飲み込まれていった。
報告_
2級呪霊と対峙後、特級呪霊複数体を確認。
【1級呪術師 久禮田 A】が対峙。
帳が下り補助監督が駆け寄ると、血まみれで倒れている所を確認。
至急高専へ運ばれる。
―…現在意識不明の重体
同時刻―…虎杖 悠仁 死亡
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作者名:Haru yama | 作成日時:2021年3月8日 0時