20話 呪霊召喚 ページ22
―別の日―
1年生3人と五条、そしてAは2級呪霊討伐任務のため廃ビルに来ていた。
『…で?3人と悟は手出し不要だよ』
あくまで今回は私の実力を知るためでもあるからね、と釘を刺せば4人は頷いた。
「でも万が一の時は、参戦するから」
『必要ないと思うけどね』
Aはそう言うと、五条達から背を向ける。そして帳が下りたのを確認し、右顔面を覆う仮面を外す。
『…
呟くや否や、突如Aの頭上に現れる、鳥型の呪霊。
「1階、3級4体、2階、2級 2体、3階、4級3体、計9体」
『…なるほど。
再びAの両隣に現れたのは、獣型の呪霊2体。彼らはAの指示に従い、突如走り出す。
後ろで見ていた4人は、あまりに突然の光景に何も言えなくなっていた。一体目の前では何が起きているのか…、理解できない。
「(…いつ、Aは術式を解放した?何の呪力なしに呼べるものじゃないはず)」
『…2階の討伐に行きますか』
Aは一切慌てる様子もなく、腰に差していた双刀を抜くと、呪力を纏わせる。
ギァアアアア!!
そして目の前に現れたのは2級呪霊と―…、
『…情報と違うなぁ』
1級呪霊がいる。
『…まぁいいか。大差ないし』
軽く首をひねり、相手を見据えると次の瞬間、Aの呪力が倍増した。それもその身体に秘められた呪力とは思えないくらいの量を放出して。
「(…!!何、これは―…)」
『
「!!…なっ…」
Aの両隣に立つのは、人型の特級呪霊…。だがそれは容赦なく目の前にいる1級呪霊に襲い掛かる。既にAは5体の呪霊を召喚しており、全てにおいて均等な呪力を供給している。Aの術式は「呪霊操術」と一見似ているが…、何か違う。
夏油が得意としていた術式とは、明らかに全くの別物であると分かる。
2体の特級呪霊は、Aの盾となりつつ確実に距離を詰めていく。そして―…
後ろの4人は一切言葉を発することは出来ぬまま、Aによって全ての呪霊達が一掃された。
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作者名:Haru yama | 作成日時:2021年3月8日 0時