片割れの呪術師【呪術廻戦】 (ページ3)

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1話　12年前の謎ページ3

道を歩いていると同級生に遭遇した。だけどそれは同窓会のように明るい再会ではなく、殺伐としていて。目の前に現れるや否や、腕を掴まれて路地裏へ連行される。

｢…久しぶりだね、A｣

サングラス代わりに黒い目隠しをした五条は、12年ぶりにも関わらず背が高かった。

｢12年間、どこに行っていたの？呪詛師さん？｣

声は落ち着いているが、殺気が滲み出ている。時折空気がピリついているのを感じた。

｢…A、どうして一般人を殺したの？｣

その五条の言葉に、Aは一言。

『は？』

予想外な反応に五条は目を見開く。

『私が…、一般人を殺した？何言ってんの？』

｢お前こそ何言ってんだよ、12年前、任務先の一般人を術式で殺したんだろ｣

『…何それ？』

そこで12年前の謎が今ここで明かされる。

『12年前、私が殺したのは呪詛師だよ？一般人を手にかけた覚えはない』

｢…お前は嘘を言っている…｣

五条はAの言葉を信じられなかった。だったら何故、12年間も姿をくらましていたのか。

『嘘でもいいけどさ。12年前に突然呪術界から追放されたから、仕方なく呪詛師として動いているんですけど』

と言ってAは五条の顔を見て、『あぁ…』と言葉を漏らす。

『上が情報操作して、私に｢一般人を殺害した罪｣を被せ追放したのか。連中ならやりかねないな』

気づけば五条はAに壁に押し付けられていた。

『…今回は見逃してあげる。私自身、色々調べなきゃいけないことが出来たんで』

｢…A！！待て！！｣

『じゃあね』

Aはそう言って、ひらひらと手を振って五条の元を離れていく。そして五条が追いかけた時、人ごみの中に消えていった。

｢…情報操作？…一体、12年前に何があった…？｣

五条は学長に報告するため、高専へと戻るのだった。