15話 告白の返事 ページ17
夜蛾に手配してもらった部屋で荷物の整理を終わらせる。と言っても、帰国後はホテルを転々としていた為、日用品の準備は夜蛾に任せてしまった。
そしてベッドに寝転がっていると、扉のノック音なしに、突然誰かが入ってくる。
『?』
誰が来たのかとそちらに目を向けると、
「A」
五条だった。
五条はそのままAのいるベッドに近づいてくる。
そして起き上がっていたはずのAを押し倒し、上から覆いかぶさる。
「…やっと手元においておける」
『……』
五条はAの頬に手を添える。
「12年前の返事、聞いてもいい?」
『……告白?』
「そ」
『…好きだったよ、悟のこと』
「そっか…、嬉しいな」
目隠しを外し、五条はAの唇に貪りつき、その場の流れで体を重ねた。
――…
五条はAのベッドで眠りについており、Aは隣で眠る五条を見る。
『…悟』
行為の間もAは右顔面を覆う仮面を外すことはしなかった。途中、五条に外されそうになるも、そこは防いだ。
『…嘘、ついた』
仮面の下は傷だらけだと説明したけど、それは嘘であり、この仮面の下には呪霊を呼び出すための呪いが刻まれている。この身体を宿主としているため、この仮面を戦闘時以外に外すわけにはいかないのだ。
『…ごめんね、嘘つきで』
そう哀しく呟くのだった。
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作者名:Haru yama | 作成日時:2021年3月8日 0時