百三十二話 ページ47
静かになった廊下。
落ち着いたのか…総悟は坂田が寝転んでいる長椅子に背中を預けた。
沖「惚れてたんですよ…本気で。冷たく突っぱねられながらも、それでもずっと野郎の帰りを待ってた…ずっと」
総悟がミツバさんの事を話し出した。
坂田が寝ていると思って独り言の様に呟いている。
恐らく俺も近藤さんと一緒に、向かったと思っているだろう。
俺は物陰にいるけど。
沖「分かってまさァ、俺の姉上が酷ェ奴に惚れるわきゃねーって事位。いつ死ぬともしれねー身で野郎が姉上を受け入れるわきゃねーって事位」
土方のことを言ってるんだろう。
あいつは俺のライバルだけど、薄情な人間ではない。
沖「でも癪じゃないですか。野郎は気にくわねェ…気にくわねェ野郎のままで、良いんでィ」
すると総悟は、立ち上がり
沖「旦那、長ぇ話聞いてくれてありがとうございやした。
このことは姉上には内緒ってことで…って聞いてるわけないか」
恐らく、総悟は行くつもりだろう……だが俺には止めるつもりなどない。
沖「野郎には大事なもん色々持っていかれたが」
ばさっと上着をかけ
沖「近藤さんには死ぬと言われたんでねぃ。
最後かもしれねぇ……、地蔵にでも全部喋っときたかったのさ」
銀「その大事なもんにアイツも入っちまうんだろ」
A「だったら、素直になればいいのに」
どうやら坂田は狸寝入りしていたらしい。俺は物陰から出て総悟の元へと。
総悟は驚いてこちらを見つめていた。
沖「……旦那、Aさん…」
銀「フワァ〜よく寝たぜ。
さて眠気覚ましに一丁行くか。てめぇの姉ちゃんにも友達って嘘ぶっこいちゃったし。
最後まで付き合うぜ、総一郎君」
A「坂田、総悟だって」
沖「……旦那、クマ」
銀「チンピラに殴られた」
A「いやどんなチンピラだよ、理由になってねーよ」
銀「うるせー、お前だってクマついてるぞ」
A「俺は、本を読みすぎてこうなった」
いつもの呑気な会話をする二人に総悟は微笑む
沖「(近藤さん。俺ァ確かに幸せモンでさァ……お節介な連中とやらがこの短ェ人生の中で……“四人”も現れたんだから)」
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すると総悟は、
沖「あの…Aさん」
A「ミツバさんの事は、俺がついてるから……だから行け。
行ってお前がケジメをつけて来い。坂田、頼んだぞ」
銀「おう、任せとけ」
そう言って二人は病院を去った。
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あしゅ - 続きが気になります……!これからも無理のない範囲で頑張ってください!応援してます! (11月25日 0時) (レス) id: d6b5e366a4 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 私も台本書きが気になりました...。 (11月20日 12時) (レス) id: b9dbee0f0f (このIDを非表示/違反報告)
きゃねこ@FGO垢(プロフ) - 台本書きで読みにくかったです。 (11月19日 12時) (レス) @page24 id: b9dbee0f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Metal | 作成日時:2023年9月21日 8時