百三十一話 ページ46
退から聞いた内容は、俺の予想した通りだった。
土方が一人で、蔵馬を逮捕しに行ったと。
それを聞いた近藤さんは退の胸ぐらを掴んで揺らす。
近「トシが一人で!?山崎てめェ、何でその件今まで黙っていた!!!」
山「すいません!副長に固く口を止められていたんです!親類縁者に浪士と関係ある者が居ると隊内に知れれば沖田隊長が真撰組での立場を失うと……」
沖「!!」
それを聞いた総悟は、息を呑む。
A「(総悟の事を思っての行動だが、明らかに無茶だ。
死亡率高い……俺を誘えば良かったのに)」
近「トシの野郎!ハナからてめぇ一人でカタつけるつもりだな……!無茶な真似を!!!」
沖「ッ、あの野郎ォ!!」
近「お前は動くな、ミツバ殿の側に居てやれ」
それでも、と前へ行こうとするが近藤は止め、言葉を続けた。
近「それに、今のお前では足手まといだ。
剣に迷いのある奴は"死ぬ"」
沖「俺達を信じろってかィ。
冗談じゃねェ、俺は、奴に貸しつくるのだけは御免こうむるぜ。
近藤さん、あんたは俺を誤解している。
俺はあんたが思うほど綺麗じゃねぇ。
人を信じるとかそういう奴じゃねぇんだ。
てめぇの事しか考えちゃいねぇ
いつもアンタ達と一緒に居て感じてた。俺はアンタらとは違うって。だから姉上もアンタもAさんもアイツの所へ…」
まさか、俺の名前を挙げるとは……
少し驚きそうになったが
_ドゴォッ、!!!
鈍い音が響いた。
そして次には総悟のうめき声と退の焦った声、看護婦さん達の悲鳴。
どうやら近藤さんが総悟を殴った音だった。
沖「イテテ…随分と俺には手厳しいな、近藤さんは」
近「そりゃお前がガキだからだ。もしトシがお前と同じ事を言ったら俺ァそいつも殴ったよ。俺達ゃそういう仲だろ」
…近藤さんの声は、優しかった。
近「てめーが勝手に掘った小せェ溝なんて、俺達は知らねェよ。そんなモン、何度でも飛び越えてって何度でもてめーをぶん殴りに行ってやる。
そんな連中長ェ人生でもそうそう会えるモンじゃねェんだよ。俺達ゃ幸せモンだぜ、そんな悪友を人生で二人も得たんだ」
近藤さんはポケットに手を入れ総悟に背を向けた。
近「もし俺が曲がっちまった時は
今度はお前が俺を殴ってくれよな」
そう言って近藤さんは、退と一緒に病院を後にした。
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あしゅ - 続きが気になります……!これからも無理のない範囲で頑張ってください!応援してます! (11月25日 0時) (レス) id: d6b5e366a4 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 私も台本書きが気になりました...。 (11月20日 12時) (レス) id: b9dbee0f0f (このIDを非表示/違反報告)
きゃねこ@FGO垢(プロフ) - 台本書きで読みにくかったです。 (11月19日 12時) (レス) @page24 id: b9dbee0f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Metal | 作成日時:2023年9月21日 8時