戦争。 ページ11
目が覚めると知らない部屋で一人、座っていた。
それでも到底アラバスタのお城の一部屋には見えなかった。
薄暗い灰色の壁には少しヒビが入っていて。
小さな窓は固く閉じられていた。
どうやらここは牢屋らしい、鉄の格子を見てそう思う。
しかし、いつの時かのように、それに触れることは出来なかった。
もう、驚きもしない。
「またか……」
そう呟いた声は見回りの看守にも聞こえていないのだろう。
格子の外に見える人影を見てふと思った。
……人は、通り抜けられるのだろうか。
しかし、内臓なんかがぬるっとした感触を与えそうで、怖くて実行は叶わなかった。
とりあえず、ここはなんだか嫌だ。
とにかく出ようと思い、立ち上がった。
どちらか入り口なのか、格子の外に出ても迷うだけなので、ひび割れた壁の方へと足を運ぶ。
外はよく晴れていた。
幽霊は日の光に当たると消失すると思っていたんだけど。
「まぁ、見えないことには変わりないか」
なんとなく、学校に行ってみよう。
脳の伝令に足は素直に従った。
来たのはいいんだが、教授の話は相変わらず眠くなる。
私は理系ではないんでね、誰に文句を言っているんだか、ササッとお暇した。
まったく、つまらんなぁ。
これほどこの世界は、つまらないものだったか。
はしゃぐ女子大生を眺めていた。
所詮上辺だけの関係。
ドロドロとした感情が見え隠れしてる。
……いつから自分はこんなマイナスになったんだ。
パン、思いっきり頬を叩いたが誰も私を見ることはなかった。
別に見て欲しいわけじゃないけど。
改めて、自分の存在が異常だと感じた。
ああ、そうか。
マイナスになったんじゃなくて。
あの世界の関係はとてもとても綺麗で、澄んでいたんだ。
私はその澄んだ関係に浸かってしまった。
もう、そこから地上に戻ることなんて出来ないんだ。
周りが真っ白になった。
これも前にあったな、そう思った。
パッと映し出されたのはついさっき見た紗希の顔で。
その顔は、刑務所前で、晴れ晴れとしていた。
ああ、もう終わったんだ。
早すぎないか？
疑問が湧いた。
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たにやん(プロフ) - フェイロさん» ありがとうございます！ (2016年5月2日 1時) (
レス) id: 5939541d69 (このIDを非表示/違反報告)
フェイロ - 更新p(´∇｀)q ﾌｧｲﾄ~♪ (2016年4月30日 23時) (レス) id: ba5caa7631 (このIDを非表示/違反報告)
たにやん(プロフ) - 三日月βさん» はい、ありがとうございます！こちらも私なりに出来る限り更新頑張りますね！ (2016年3月9日 7時) (レス) id: 132106bcfc (このIDを非表示/違反報告)
三日月β(プロフ) - たにやんさん» そう言って頂けて嬉しいです。こちらこそありがとうございました。更新、無理せず頑張ってくださいね！ (2016年3月8日 21時) (レス) id: 3928a59327 (このIDを非表示/違反報告)
たにやん(プロフ) - 三日月βさん» ありがとうございます！！いや、すっっごく可愛いです！！黒髪黒目だけなのは読者の想像にお任せするという意味なので、全然問題ないです！イラスト提供ありがとうございました！ (2016年3月8日 21時) (レス) id: 132106bcfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たにやん | 作成日時：2015年8月7日 13時
