退出ゲーム 21 ページ36
名「スマートじゃないな。退出は自ら進んで行わせるべきだ。
…そう思っているんだろう、マレン？」
名越が私の腕を引いてステージの中央に戻る。
名「なんだ、上条。
俺が金廣を退出させることに問題は無いはずだ。」
いやいや、問題大ありだよね。
ハ「名越の勘違いがAちゃんを偽者に仕立てあげているんだ。
アジトの真上にある部屋の住人が帰ってこないのは、まだ十一時になっていないからだよ。
だから別に今日はおかしな状況じゃない」
名「…なに？」
ハルタ、助けてくれるの？
ハ「ぼくの腕時計はまだ十時五十五分だ。
名越の論理で考えると、Aちゃんを疑うのは十一時を過ぎてからでも遅くない」
名越が馬鹿にしたように笑った。
名「お前の時計が壊れているんじゃないのか？
俺の時計はどんな時計よりも正確な電波時計だ。
仮に誰かが時計の針をいじったとしても、すぐに自動補正してくれる賢い時計なんだ。
悪いが上条、時間を一時間遅らせたかったのだろうが相手が悪かったな」
ハ「遅れている？ぼくの時計も名越の時計も正確に時を刻みつづけているよ。
だってアジトのある場所は………中国の蘇州じゃないか」
「…なるほど！さっすがハルタ！」
ハルタが頷く。
周りを見ると、わたし以外みんなぽかんとしていた。
ハ「ぼくたちは最終的に中国の蘇州に密航してきたんだ。
九州から千キロほどの距離だから、名越の電波時計が補正したんだよ、日本の時刻にね」
「日本との時差は一時間。
つまりアジトのある現地時間は十時五十五分。名越の電波時計がさす日本時刻は十一時五十五分になる。
てことよね？ハルタ」
ハ「そういうこと」
わたしが説明しても観客からはざわつきの声が漏れた。
草壁先生が立ち上がって、みんなに説明を始めた。
名「ぐっ…そうだった。ここは中国だったな」
潜伏しているアジトの場所が変わった！
観客から大きな拍手が湧く。
ハ「ここは中国なんだ。そして時間はまだ十一時前。
だから真上の部屋の住人が帰ってこないからといって、Aちゃんを疑うのはまだ早いんだ」
その時、ハルタの背後から肩をつかむ大きな手があった。
マレンだった。
マ「なぜ…中国の蘇州なんだ？
時差がある場所は、他にもあるじゃないか。
広州や、北京や、上海。
…なぜ蘇州なんだ？」
ハ「意味はあるよ。それよりみんな、ぼくたちはもっと大きな問題に直面しているんだ。
そのことに気づいてないのかい？」
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のの - 夜月さん» ありがとうございます！ (2016年4月7日 15時) (
レス) id: dd3ac278ec (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - fruitさん» 才能だなんて！そんな！光栄です！毎回、コメントありがとうございます！これからもお願いします！ (2016年3月17日 0時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
fruit - オリジナル・・・とっても面白いです！ワクワクしてます！すごいですね〜(*´∀｀)才能なんでしょうね〜(*´∀｀)羨ましいです！頑張ってください！ (2016年3月16日 23時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - あいさん» オリジナルは面白いかとても不安だったのですが、そう言ってもらえて光栄です！これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - ののさん» ありがとうございます！ですが、ゼロからのお話なので更新のペースが遅くなるかもしれません…まことに申し訳ありません…ですが！よろしくお願いします (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月 | 作成日時：2016年2月12日 18時
