クロスキューブ 25 ページ4
草「もしこのキューブの考案者が禅問答の考え方に倣って、相手が完成した時にはもう自分がこの世にいないと悟っていたのなら――
その完成形が正しいという証明を、相手のためにどこかに残しているかもしれない」
ハ「そのキューブの中にですか？」
ハルタが身を乗り出した。
草「きみたちが正しい答えにたどり着ければ、自然とそれが姿をあらわすように出来ているんじゃないのかな。
その証明を見つけるまでの過程が、このパズルの本質だと思うよ」
千夏が息を深く吸った。
答えのない難題にぶつかったときは、自ら答えをつくり出す努力をすればいい。
――――うん。
屋上に風が吹き、草壁先生が何かに気づいた様子で首を回した。
西川さんの視線も、校舎につなぐ鉄扉にかたまっていた。
西「．．．ミヨちゃん」
成島さんが長い髪をなびかせてそこに立っていた。
うげ．．．
草壁先生の存在に戸惑い、驚いた顔を一瞬見せたが、それでもかまわないという仕草で扉を強く閉めると、こっちに向かって歩きだしてきた。
立ち止まった成島さんの目がちらと草壁先生を向く。
二人の間になにかあるようだった。
すぐ逸らすと、
成「それ、学校中で噂になってるけど」
白いキューブを一瞥して吐き捨てた。
ハ「みんな、応援してくれているんだよ」
ハルタが穏やかに言うと、成島さんは苦いものを噛んだように口元を歪めた。
成「で、みんなが応援してくれて完成しそうなの？」
言われてハルタが口を閉ざし、千夏も西川さんも黙って俯く。
「大丈夫よ。なんとかなるから」
わたし一人だけ余裕な顔をして言った。
成島さんは
成「なんでそんなこと言えるのよ。あんたは分かったの？」
「それはこの場では言えないなあ。謎解きはちゃんと場を用意しなきゃ。それに、わたしはハルタが分かるまでは言わないよ」
成「ふんっ。．．．やめたら？」
金属のように冷たい声で成島さんが言った。
千夏「え」
成「もう、やめたら？
無理よ。できっこない。それは絶対に解けないキューブなの。
聡が私に遺した罰なの」
ハ「罰だって？」
ハルタが呆れて言った。
ハ「解けないパズルはパズルじゃない。
デュードニーを敬愛する人間が、そんな理不尽なものを遺すのは思えないな」
設定を変えました！
夢主ちゃんは、ハルタ並の頭の良さと書きましたが、ハルタよりも頭がいいことにします！
学年トップの成績です
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のの - 夜月さん» ありがとうございます！ (2016年4月7日 15時) (
レス) id: dd3ac278ec (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - fruitさん» 才能だなんて！そんな！光栄です！毎回、コメントありがとうございます！これからもお願いします！ (2016年3月17日 0時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
fruit - オリジナル・・・とっても面白いです！ワクワクしてます！すごいですね〜(*´∀｀)才能なんでしょうね〜(*´∀｀)羨ましいです！頑張ってください！ (2016年3月16日 23時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - あいさん» オリジナルは面白いかとても不安だったのですが、そう言ってもらえて光栄です！これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - ののさん» ありがとうございます！ですが、ゼロからのお話なので更新のペースが遅くなるかもしれません…まことに申し訳ありません…ですが！よろしくお願いします (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月 | 作成日時：2016年2月12日 18時
