退出ゲーム 10 ページ24
唖然としているのか、怒りをためているのか、実は内心ちょっとだけウケているのか。
…最後のは絶対ないだろうけど。
千夏「面白いよねー、名越」
千夏が棒読みで名越に賛同を求める。
千夏、優しいね。わたしは面白いとは思えないんだけど。
名「一つ聞く。…マレンはいったいどの役で？」
名越は低い声で言った。
ハルタは腕組みをして大作家にでもなったような妙な貫禄をかもし出していた。
ハ「地球環境保護倶楽部の子供役はどうだろう？鼻筋に青っぱな、頬に赤丸、もちろんゼッケンをつけた体操着姿がいい」
うわー、絶対いやだ。
名越はルーズリーフに両手をかけると、ビリビリと破り捨てた。
ハ「ああっ、ぼくの一週間の智恵と汗の結晶が…」
いや、ハルタ。わたしでもそうしてたよ。
ハルタが四つん這いになって、破れた紙片をかき集める。
名越が立ち上がった。
名「お前、演劇を舐めているだろ？」
ハ「舐めているのは名越じゃないか。
少なくとも文化祭公演の脚本よりも、こっちの方が断然面白いぞ。
大体なんだ、あのぐだぐだの全共闘コメディは。
アングラなんてただの自己満足で娯楽じゃない」
ちょっと、ハルタ。他の演劇部員もいるんだから…
名「なにを…
まさかアンケートで長文の酷評を書いてきたのはお前か」
ハ「批判と一緒に代案を出したはずだ」
名「あれを酷評っていうんだよっ」
ハ「大体元ネタの戯曲をこっそり登場人物から筋書きまでなにからなにまで改変するなんて、著作権で劇作家に訴えられるぞ」
名「これを書いたお前に言われたくないぞ！」
うん。ハルタもガチャ〇ン出してるからね。
そこ忘れるな。
名越もハルタも頭に血がのぼり、目を剥いて言い争っていた。
ハ「まだぼくやチカちゃんやAちゃんの方が、役者として素質がある」
は！？ちょっとそこでわたしの名前を出すな！
千夏もえ？って顔してる。
名「…ほお」
名越が口を閉ざす。
あーあ。
ハ「前から言おうと思ってたけど、部室をアトリエと呼ぶその言語感覚が気に食わなかった」
知らないよ。わたし。
ハ「ほら、この教室は吹奏楽のパート練習をするにはもってこいだよ、チカちゃん！Aちゃん！」
あの、分からないことはないけど、流石に言い過ぎやしないか。
毒舌だと言われてるわたしが言うのもなんだけど…
名「俺も前々から、吹奏楽部が騒音をたてている駐車場の広場が、演劇の発声練習に使えないかと思っていた」
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のの - 夜月さん» ありがとうございます！ (2016年4月7日 15時) (
レス) id: dd3ac278ec (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - fruitさん» 才能だなんて！そんな！光栄です！毎回、コメントありがとうございます！これからもお願いします！ (2016年3月17日 0時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
fruit - オリジナル・・・とっても面白いです！ワクワクしてます！すごいですね〜(*´∀｀)才能なんでしょうね〜(*´∀｀)羨ましいです！頑張ってください！ (2016年3月16日 23時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - あいさん» オリジナルは面白いかとても不安だったのですが、そう言ってもらえて光栄です！これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - ののさん» ありがとうございます！ですが、ゼロからのお話なので更新のペースが遅くなるかもしれません…まことに申し訳ありません…ですが！よろしくお願いします (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月 | 作成日時：2016年2月12日 18時
