退出ゲーム 8 ページ22
ハ「言い出しっぺのチカちゃんに代わって、ぼくが戯曲を作ろう」
名「できるのか？上条。劇作家の道のりは険しいぞ」
ハ「出来るよ。来週の金曜日までに」
みんな驚いてハルタを見た。
へー、凄いわね。そんな自信、どこから湧いてくるのよ？
名「ほお」
名越が顎に手を添え、興味深そうにハルタを見やる。
ハ「マレンが出演出来るような戯曲だ。マレンがいつまでたっても演劇に興味が湧かないのは、きっと名越の演劇に対する愛情が足りないからだ。
ぼくらのマレンに対する愛情が勝っていることを証明するいい機会だ」
名「ほおほお」
名越の頬が引きつっている。
名「それは楽しみだ」
成「ちょっと、上条くん。そんなこと言って大丈夫なの？」
ハ「心配ない。ぼくだったら名越と違って最高傑作を作ることが出来る」
名「ほおほおほお」
名越は一匹の梟と化していた。
そのままほーほーとどこかに飛んでいけ。
名「実に楽しみだ。
そうと決まったら時間を無駄にできないな」
と伝票を取り上げる。
わたしたちは思い出したように、はあと疲れた息を漏らした。
千夏「…みんな、これからなにをするの？」
お腹が一杯になった千夏が帰り支度をはじめていた。
名「まだステージの掃除が残っているんだ。
五人もいれば一時間もかからないよ」
名越が上着を羽織りながら答える。
ハ「五人だったらすぐ終わるな」
成「そうね。五人で力を合わせれば…」
「あっという間に終わるわね」
みんな急に元気が出てきた。
え？ と千夏が自分で自分を指さした。
諦めろ、千夏。
２
どうやら本気らしい。
授業の休み時間、昼休み、そして部活が始まる前まで、音楽室の隣にある準備室にハルタが閉じこもっている時は、
「戯曲を創作中。決して中に入っちゃいけません」
という注意書きがドアに貼られた。
もちろん吹奏楽部のみんなには事情を話してある。
水曜日までは我慢できたけど、木曜日にはうずうずして、金曜日の放課後にはわたしも先輩たちも、準備室の貼り紙を見ながらドアを開けたい衝動に駆られていた。
成「木下順二の『夕鶴』みたいね。生まれるわよ、傑作が」
成島さんがオーボエのケースを抱えて背後に立っていた。
「本当に傑作と呼べるものが生まれればいいけどね」
成「協力者がいるみたいよ。昨日、中から三人の話し声を聞いた人がいるの」
千夏、貴女「三人…？」
片「時間だな」
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のの - 夜月さん» ありがとうございます！ (2016年4月7日 15時) (
レス) id: dd3ac278ec (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - fruitさん» 才能だなんて！そんな！光栄です！毎回、コメントありがとうございます！これからもお願いします！ (2016年3月17日 0時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
fruit - オリジナル・・・とっても面白いです！ワクワクしてます！すごいですね〜(*´∀｀)才能なんでしょうね〜(*´∀｀)羨ましいです！頑張ってください！ (2016年3月16日 23時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - あいさん» オリジナルは面白いかとても不安だったのですが、そう言ってもらえて光栄です！これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - ののさん» ありがとうございます！ですが、ゼロからのお話なので更新のペースが遅くなるかもしれません…まことに申し訳ありません…ですが！よろしくお願いします (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月 | 作成日時：2016年2月12日 18時
