退出ゲーム 5 ページ18
「―――分かったか？穂村。この三人はうちの部員のマレンを欲しがっているんだよ」
成「欲しがるだなんて」
成島さんの声のトーンが落ちた。
成「本人の人格を無視したような言い方はしないでほしいわ」
そばで聞いていた千夏とハルタは縮こまる。
かつて成島さんの人格を無視していた時期があったねえ。
ストーカーみたいに付きまとって家に上がり込んで、夕食をご馳走になったこともあったらしい。
名「だったらどんな言い方があるんだ？」
名越はまっすぐ成島さんを見る。
瞬きもなく、凝視と呼ぶのが相応しい見つめ方に、成島さんが先に目を逸らした。
千夏「あの、．．．Aと成島さん、マレンと知り合いなの？」
成「知り合い？そうね。
中学の頃の私の学校って、今と同じように部員が少なったから、夏は四、五校集まる合同合宿に参加していたの。
マレンはそこで目立っていたわ。
父親が元サックス奏者だから技術はずば抜けていて、周りとのコミュニケーションも長けていた」
「わたしも中学の時、合同合宿でマレンと出会ったよ」
名「コミュニケーションに長ける？抽象的だな」
名越がいちいち茶々を入れる。
名「マレンとの付き合いの長い俺にも分かるように説明してくれ」
「彼って日本語は流暢じゃなかったけど、的確な言葉を選んでゆっくり話してくれるから逆に話しすぎる人よりも伝わりやすいのよ。
周りは理論や理屈に偏った人ばかりだったけど、彼のアドバイスは不思議と耳に残った」
名「．．．確かにあいつのいいところだな。
で？」
ハ「で？」
ハルタが鸚鵡返しにする。
名「結局、マレンを吹奏楽部に誘いたいんだろ？」
ハ「それをいっちゃあ．．．」
身も蓋もない、と言いかけたハルタを成島さんが制した。
成「どうしてマレンはサックスを辞めたの？
さっきだって私たちを無視していた。
彼に何があったのよ？」
「そうよねえ。中学の時は今みたいじゃなかったと思うけど」
名「俺はあいつのカウンセラーじゃないぜ」
「さっき、付き合いが長いって言ったじゃん」
名越が両目を大きくさせていた。
名「もしかしてお前たちマレンに特別な感情でもあるのか？」
成「なによそれ」
名「好きになっちゃったとか」
千夏「えっ、うそ」
「はあ？無いし。少なくともマレンは好きじゃない。けど」
成島さんも黙っていた。
ハ「オーボエはサックスに恋をしているんだ」
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のの - 夜月さん» ありがとうございます！ (2016年4月7日 15時) (
レス) id: dd3ac278ec (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - fruitさん» 才能だなんて！そんな！光栄です！毎回、コメントありがとうございます！これからもお願いします！ (2016年3月17日 0時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
fruit - オリジナル・・・とっても面白いです！ワクワクしてます！すごいですね〜(*´∀｀)才能なんでしょうね〜(*´∀｀)羨ましいです！頑張ってください！ (2016年3月16日 23時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - あいさん» オリジナルは面白いかとても不安だったのですが、そう言ってもらえて光栄です！これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - ののさん» ありがとうございます！ですが、ゼロからのお話なので更新のペースが遅くなるかもしれません…まことに申し訳ありません…ですが！よろしくお願いします (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月 | 作成日時：2016年2月12日 18時
