退出ゲーム 2 ページ15
ハルタが何故か演劇部の部員たちに交じっていた。
ちょこまかと走り回ってトラックの荷台に飛び乗り、衣装ケースをうんしょと受け取っている。
「ああっ、もうっ、重くて腕が抜けちゃう」
む？この声は．．．
成島さんだった。腰まで届く髪を後ろでまとめあげ、体育で使うジャージ姿で段ボール箱を運んでいる。
「ははっ、いいよ、持つ」
そして、この声は．．．
Aだった。成島さんと同じジャージ姿で自分も一つ段ボールを持っているのに、その上に成島さんの段ボールも持とうとしていた。
ハルタが持てよ。男なんだから。
三人とも練習が終わってまっすぐ家に帰ったと思っていたのに、なにやっているんだろ？
わたしはすぐそばにあった雑居ビルの陰から様子をうかがうことにした。
演劇部だって文化祭公演とクリスマス公演がつづいたから、しばらく公演活動はないはずだった。
荷物を運び終えたみんなはふらふらと疲れきった足どりで市民会館の玄関に消えていく。
気になってあとを尾けた。
貴女side
「―――よし、今日はみんなご苦労だった」
とくに大きな声ではないのによく響く声。
客席で演劇部の部員たちが輪を作り、その中心で妙に尊大な態度の同級生がねぎらいの言葉をかけていた。
隣のクラスの名越俊也だ。
廃部になった演劇部を復活させた彼は部長を務めている。
つまり部員は一年生のみで構成されていて、やりたい放題の部活動ライフを満喫している。
名「――恒例のビデオ反省会は月曜日の放課後に行こう」
ホールの客席で名越が指示し、手を叩く。
名「じゃあ後始末は俺たちがやるから、今日は解散。みんなお疲れ」
演劇部の部員たちからどっと息が漏れ、わらわらと帰っていった。
ハルタと成島さんが椅子に腰を深く沈めてぐったりしている。
「だいじょうぶ？二人とも」
成「金廣さんは、体力があるのね」
「まあね」
その時、
千夏「ねえA、ハルタ、成島さんもこんなところでなにやってるの？」
「千夏！フルートレッスンは終わったのね」
千夏「うん。疲れた」
名「だれだっけ？お前」
千夏「十年にひとりの逸材よ！」
千夏が本気でつかみかかりそうになった。
ハ「．．．穂村千夏。同じ吹奏楽部でクラスメイトだよ」
疲れた声でハルタが言う。
名越はぽんと拳でてのひらを叩く。
いちいちジェスチャーが大袈裟なやつだ。
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のの - 夜月さん» ありがとうございます！ (2016年4月7日 15時) (
レス) id: dd3ac278ec (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - fruitさん» 才能だなんて！そんな！光栄です！毎回、コメントありがとうございます！これからもお願いします！ (2016年3月17日 0時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
fruit - オリジナル・・・とっても面白いです！ワクワクしてます！すごいですね〜(*´∀｀)才能なんでしょうね〜(*´∀｀)羨ましいです！頑張ってください！ (2016年3月16日 23時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - あいさん» オリジナルは面白いかとても不安だったのですが、そう言ってもらえて光栄です！これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - ののさん» ありがとうございます！ですが、ゼロからのお話なので更新のペースが遅くなるかもしれません…まことに申し訳ありません…ですが！よろしくお願いします (2016年3月13日 17時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月 | 作成日時：2016年2月12日 18時
