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「あぁ、久しぶりだな。……バレーはやめたと聞いていたが」
「うん。一度はやめたよ。……でも再開したんだ」
動揺を取り繕う様に気持ちの悪い笑顔しか浮かべられない僕とは違ってワカはいつもと変わらない表情を僕に向ける。他の先輩方と工は驚いてるみたいだけど僕みたいに取り乱してはなさそう。
ダサ。焦ってんの僕だけじゃん。
落ち着けとあきらかにうるさくなった心臓に言い聞かせる。
バレない様に1つ息を深く吐いて呼吸を整える。
「そうか。再開したのならなぜ白鳥沢に戻ってこない?」
「……バレーは白鳥沢じゃなくても出来るよ」
「だが、Aの才能は白鳥沢でこそ最大限に発揮される」
言ってくれるなぁ。
仮にも高校No. 1セッターが在籍する学校で、全国だって行ってる。
それでも自分の所が最高で最強と言えるのは己か、仲間か、他の何かかはわからないけど譲れないくらいに強いものがある証拠。
僕が憧れた強さ。ワカらしくて羨ましいと思うのと同時に今は少し恐い。
変わってない。天然で傲慢なところ。
「……稲荷崎は弱くないよ」
「確かにそうだがお前の才能は白鳥沢でならさらに伸びる。ここがそれを最大限まで引き出しているとは思えない」
「それは、」
「なんやねん! さっきから聞いてたらごちゃごちゃうっさいわ!!」
「侑さん……」
後ろから飛んできた声に驚く。
振り向くと殺気立った侑さんがいる。
なんで侑さんが怒ってんの?
「宮侑か」
「お前はウシワカやろ。Aとの間に何があんのかは知らんけどA今は稲荷崎のチームメイトや。羨ましがってもやるつもりはないわ!!」
行くで!と怒鳴るってから引っ張られて体育館に戻る。
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蓮夜 - 面白かったです。主人公が凄くかっこいいし、兄のことをにぃといってるギャップが良すぎました。お疲れ様でした! (5月14日 23時) (レス) @page48 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 今一番楽しみにしてる小説です(T . T)これからも応援してます〜! (2020年5月2日 11時) (レス) id: 008e34b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - 続編おめでとうございます!めっちゃ好きです。これからも応援してます。更新頑張ってください! (2020年4月30日 21時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りろ | 作成日時:2020年4月30日 21時