懐かしの ページ8
弧を描いてセッターの手の中に綺麗にボールが収まる。
久々のドンピシャ。
でも、そのボールをセットしているのは侑さんじゃない。
今の僕の調子は懸念事項があるということ以外はすこぶる良い。
昨日は夕飯をいただいて、そのまま宮家で就寝して朝も侑さん、治さんと一緒に部活に来た。けどその間に侑さんとは何も話してない。侑さんが僕に向けて行ったのは玄関先での北先輩からの一言だけ。
でも僕は侑さんに対して謝ることをしたわけではない。だからなんて言えば良いのかわからなくて気まずいままだ。
アップと動きの確認を兼ねた紅白戦。侑さんはBチームだから今は休憩中。Cチームの僕と一緒にコートに立つのは角名さん。
「侑とまだ仲直りしてないの？」
「ケンカしたわけじゃないですし」
「なんでも良いけど、北さんに何か言われる前にどうにかした方がいいよ」
「……はい」
どうにかしないといけないのはわかってる。
この後は今は第二体育館でアップを取ってる白鳥沢が来る。ということはワカも来るわけで。面倒ごとはワカのことだけにしておきたい。
長めの笛の音がなって試合終了が告げられる。
「休憩挟んで練習試合や」
監督の言葉に体育館の外に出ていく侑さんの後を追う。
「あつ、」
「Aか？」
侑さんに声をかける前に懐かしい声に名前を呼ばれる。聞き間違えるはずがない。
振り返ると紫と白のジャージに身を包んで、僕が知っている時よりも身長も体格も大きくなった彼ら。
なるべく再会はコートを挟んでがよかった。そしたら今日の練習試合の間は余計なことを考えないですむし、向こうも声をかけては来ないと思ってたから。
「久しぶり。……ワカに先輩方、工も」
なんて情けない声だろう。やっと絞り出したのに。
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蓮夜 - 面白かったです。主人公が凄くかっこいいし、兄のことをにぃといってるギャップが良すぎました。お疲れ様でした！ (5月14日 23時) (
レス) @page48 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 今一番楽しみにしてる小説です(T . T)これからも応援してます〜！ (2020年5月2日 11時) (レス) id: 008e34b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - 続編おめでとうございます！めっちゃ好きです。これからも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年4月30日 21時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りろ | 作成日時：2020年4月30日 21時
