証明 ページ36
続く三回戦も稲荷崎はストレートで勝利を収めた。
そして本日二戦目今日の準々決勝の相手は白鳥沢。
会ったのはついこの間のような気がするのに、アップを見た限りあの時よりまた強くなってる。
「今日はええ顔しとるな」
「北さん？」
「昨日はガチガチやったけど、今日は落ち着いてるな。ちゃんと試合に集中出来てるちゅうことや」
昨日の初戦、集中出来てなかったことバレてたんだ。宿でのミーティングのときなんも言われなかったから逆に怖かったんだよな。
「僕の仕事はあげることなんで得点には基本絡まないんですけど、今日は負けたくないってちょっと思います」
「ええやん。勝つで」
「はい」
整列をして挨拶を交わし監督に激励を貰ってからコートに立つ。
ネットを挟んだ向こう側には紫と白のユニフォームに見知った顔ぶれ。
試合前に言葉は交わさなかった。話すべきことはこの前に会ったときに話尽くした。あとは自分がここにいる理由をプレーで伝える。それだけだ。
ワカはきっと白鳥沢が勝つことを疑わない。でもそれは稲荷崎だって同じだ。僕たちだってここに勝ちに来てる。
僕がすることはボールをあげること。稲荷崎の強さを証明すること。
まずはワカのスパイクを一本で切る。
腕にのしかかる力が前よりも大きい。全身を使って押し殺すけど体勢を崩す。
僕の理想よりも少し高めに上がったボールは侑さんの手の中に収まっていく。
ギャラリーが少しざわついたのがわかった。ウシワカのスパイクをあげたのは誰だ、と。でも僕は今のレシーブで満足できるほど自分に甘くはない。
次が来たら今度は完璧にあげて見せる。
「もう一本」
「なんや今日は野生みたいやな」
「侑さんに言われたくありません」
「なんやと？」
「ワカのスパイクにつられてはしゃぎ過ぎてサーブ、ミスんないでくださいね」
「わかっとるわ」
野生みたいってなんだ。ギラついてるってことか？
でも、確かに。今日はボールが早く欲しい。
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蓮夜 - 面白かったです。主人公が凄くかっこいいし、兄のことをにぃといってるギャップが良すぎました。お疲れ様でした！ (5月14日 23時) (
レス) @page48 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 今一番楽しみにしてる小説です(T . T)これからも応援してます〜！ (2020年5月2日 11時) (レス) id: 008e34b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - 続編おめでとうございます！めっちゃ好きです。これからも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年4月30日 21時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りろ | 作成日時：2020年4月30日 21時
