過去７ ページ23
SIDE A
「にい、今日帰るよね？」
「その予定」
「ナニナニ？ なんの話？」
「今日、にいと実家に帰るんでその話です」
「そっか。友井は明日からの三連休、帰省組か」
「はい」
にいに言伝に行ったあの日から僕はほぼ毎日中等部でのバレーの練習が終わったあと高等部の自主練に参加してる。参加というか半ば強制的に呼び出されてるんだけども。
今では高等部の人とたちとだいぶ仲良くなった。
全中は去年のにいの代を越えてベスト4まで行った。けど準決勝で敗れて、3位決定戦には勝った。僕はベストリベロ賞をもらえたけど体力不足で最終セットまで体力が持たずにミスが出たのは本当に悔しかったし満足できる結果ではなかった。
県予選で見た北一のプレーには何も言えなかった。僕が最も恐れて、見たくなった光景が現実になった。
ただ残っていたのは胸につっかえる黒い何かと自分が今着ているユニフォームが白鳥沢のものであるということ。
「白布、トスを上げてくれ」
「はい」
「ワカ、スパイク打つならレシーブ入っていい？」
「俺もブロックとびたい」
「構わない」
「人気者だねぇ。若利君」
うっわ。
今日も練習の後なのに衰えることを知らないような強烈なスパイクの威力が腕に乗っかる。
あ、ズレた。やっぱ練習の後のこれは流石に辛い。でも今のは……。
「にい！ ちゃんとブロック跳んでよ」
「今のをまともにブロックしてたら腕がもげんだろ」
「もげない！ 自分が疲れてるからってサボらないでよ。この前ちゃんと止めてたの見たからできないとは言わせないから」
「Aだって今の綺麗にレシーブ出来てなかっただろ」
「それは！」
「やめろよお前ら。ここで兄弟喧嘩すんな」
反対側のコートから白布さんに止められる。
続いて打ち込まれてくるスパイクはこれぞとばかりににいがブロックではたき落とす。さっきはちゃんとやれって言ったけどめちゃくちゃ痛そう。本当によくもげないな。
「ワンチ」
にいの手に触れて少し威力が弱まったスパイクを今度は綺麗にセッターの位置まで返す。
「息ぴったりだネ」
「ですね。よく喧嘩してますけど」
「ダネ。太一も俺と喧嘩する？」
「なんでそうなるんですか。しません」
「だよネー」
コートの外で天童さんと川西さんが勝手なことを言ってるけど気にしない。
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蓮夜 - 面白かったです。主人公が凄くかっこいいし、兄のことをにぃといってるギャップが良すぎました。お疲れ様でした！ (5月14日 23時) (
レス) @page48 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 今一番楽しみにしてる小説です(T . T)これからも応援してます〜！ (2020年5月2日 11時) (レス) id: 008e34b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - 続編おめでとうございます！めっちゃ好きです。これからも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年4月30日 21時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りろ | 作成日時：2020年4月30日 21時
