過去６ ページ22
SIDE 瀬見
「お前の弟って何者？」
「ハーイ！ それ俺も気になった。聞こうとしたら行っちゃたし」
だから天童は指導者のことなんか聞いてたのか。天童は得体の知れない者の正体探るのとか好きだからな。
「ナニモノって俺の可愛い弟ですけど」
「ンなこと言ってんじゃねぇよ」
「あは。怒んないでくださいよ、瀬見さん」
走り去って行った体育館の入り口を見たままの友井に聞く。
友井は楽しそうな、面白くてたまらないという顔をして笑う。
「でもサ、普通に中学生で若利君のスパイクあれだけあげられるっておかしいジャン？」
「それにあの実力で今まで無名だったのおかしくね？」
「あー、はい。無名だったのは俺らの親が転勤族だからですよ。俺は知っての通り中学からここの寮ですけど、Aは去年まで親について色々回ってたみたいだから同じチームに長期間所属したことがないんです」
「名前が知られる前に居なくなるのか。じゃあ、あのレシーブ力は？」
「Aのレシーブの技術は異常ですよ。中学生であのレベルは他にいないと思います」
中学生ではって話ですけどと付け足す友井。そうは言っても中学であのレベルが恐ろしいことに変わりはない。
「AがワカみたいなスパイクをあげられんのはAがあげんのに貪欲だからです」
「は？」
「どゆーコト？」
「Aは才能はあるけど天才じゃないんです。あげるってことなら周りがついて来れなくなるまで何千回でもやります。身体に動きを染み込ませるために。あと、今までいろんなチームにいたせいもあってか人より多くのスパイカーに会ってるんで基本的にはどんなタイプでも対応できるんです」
「はぁ？ 意味わかんね」
「さすが白翼の弟君。バケモノだね」
「まぁ、そのかわりブロックとかスパイクはからっきしですけど。Aのスパイクとか下手くそ過ぎて笑えますよ。でも、あげるってことにあれだけ貪欲なのは技術とは別の才能だと思います」
ブロックやスパイクを使うポジションは必然的にリベロよりチームの連携が多く必要になってくる。コロコロチームが変わってたんじゃそこでスタメンを勝ちとんのが難しかったのもあんだろうなと思う。
バケモノ兄弟。こいつのミドルブロッカーとしての才能も気持ち悪いけど、兄が兄なら弟も弟か。
「友井」
「ワカ、どうかしたか？ Aなら帰ったけど」
「明日もAは来るか？」
「おけー。来るように言っとくよ」
「頼んだ」
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蓮夜 - 面白かったです。主人公が凄くかっこいいし、兄のことをにぃといってるギャップが良すぎました。お疲れ様でした！ (5月14日 23時) (
レス) @page48 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 今一番楽しみにしてる小説です(T . T)これからも応援してます〜！ (2020年5月2日 11時) (レス) id: 008e34b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - 続編おめでとうございます！めっちゃ好きです。これからも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年4月30日 21時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りろ | 作成日時：2020年4月30日 21時
