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あの夏の日のことから僕はバレーをする場所を白鳥沢に変えた。北一のメンバーにはなにも言わず二学期開始と共に白鳥沢の中等部に編入して寮にも入った。
ただ徹さんと一君には電話を入れた。あの二人にはお世話になったから。
徹さんはイヤだったけど僕のレシーブを綺麗にセットしてくれたから一応。二人は何も言わなかった。まるで僕が北一を去る事を予想していたかのように責めもせずに受け入れてくれた。
いや、徹さんは転校先が白鳥沢なことに関してはかなり不満げだったけど。
「Aー!! 帰ろうぜ!」
「工、ごめん。僕、今日はにいに話があるから」
話って言っても大したことじゃない。この前帰省した時に両親からの言付けを頼まれただけ。
ただにいが高等部に行ってからあまり顔を見てないから会っておこうかなって。同じ敷地内なのに会わない。近くて遠いのが高等部。
「Aのお兄さんって白翼のことだよな。かっこいいよな、友井さん!」
「うん。にいはかっこいいよ」
工は途中で編入してきた僕をすんなり受け入れて、チームに引き込んでくれた。
仲良くなるのに時間はかからなかった。にいのことを尊敬していたから話も合ったし。
にいの代は全国に行ってベスト8まで行った。あの夏から1年がたった今年はそれを越えて全国制覇するのが僕らの代の目標。
この時間なら高等部も部活が終わって自主練のはずだから体育館まで向かう。
「あれ、Aだ。なんでここにいんの?」
「にい! 母さんたちから言伝を頼まれて。たまには帰ってこいって」
「メールでもよかったのに。わざわざありがとな。てか、帰ってもいないのはそっちだろっての」
「来年から海外転勤が決まったみたいだからその前に会っておきたいんじゃないかな」
「え、まじか。てか、Aは練習帰り?」
「うん。中等部は自主練、8時以降禁止だし」
「じゃあこっち混ざってけよ」
「え、ちょっと、待って」
にいに強引に引っ張られて体育館に入る。
「おーい、ワカ!Aが来たぞ!!」
にいが入り口から遠いコートに居るワカに向けて叫ぶものだから体育館中の視線がこっちに集まる。
にい、やめて!恥ずかしいから!!
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蓮夜 - 面白かったです。主人公が凄くかっこいいし、兄のことをにぃといってるギャップが良すぎました。お疲れ様でした! (5月14日 23時) (レス) @page48 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 今一番楽しみにしてる小説です(T . T)これからも応援してます〜! (2020年5月2日 11時) (レス) id: 008e34b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - 続編おめでとうございます!めっちゃ好きです。これからも応援してます。更新頑張ってください! (2020年4月30日 21時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りろ | 作成日時:2020年4月30日 21時