違和感 ページ39
風がザーッとAちゃんの髪を靡かせる
公園の方へと消えていった男の子をいつまでもAちゃんは見つめていたような気がした
しかし、それはほんの一瞬の時間であったかの如く、Aちゃんがいつもの笑顔で俺を見る
A『一ノ瀬さん、ボールが当たったところ大丈夫でしたか?』
そ「え?ああ、うん....」
変だな
今Aちゃんが遠い目をしていたような....
心配そうに近づいてきたAちゃんの表情にさっき感じた違和感は無い
だけどあれは何かを憂いていた顔だった
まふまふがあの時見せた表情と同じ....
A『一ノ瀬さん?本当に大丈夫ですか?やっぱり何処か打ってしまいましたか?ボーッとしてますが....?』
ふとそこで我に返るとAちゃんの顔がすぐ目の前にあり、瞳が俺を見ていた
そ「だ、大丈夫だよ!本当に!」
驚いてしまい、俺は数歩Aちゃんから離れる
ち、近い....!
A『そうですか?なら良いのですけど....。それじゃあ行きましょう』
気を取り直して俺も歩き出した
びっくりした....
心配....してくれてたんだよな
少し前方を歩くAちゃんの背中を見る
女の子特有の小さな肩だ
だけどあの子には喉の障がいというものが肩に乗っかっているわけで....
もしかして今の会話でその事を....?
それが理由だとしたら....
どうしようもなく目の前のAちゃんがいたたまれなくなった
俺に....何か出来ないだろうか
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作者名:ハルタネ | 作成日時:2017年6月23日 21時