お裾分け 〜主人公視点〜 ページ19
お鍋2つ分はちょっと重いな....
+スケッチブックを持ち、玄関を出てマンションの通路を歩きながらそう思った
カレーを入れた鍋は一ノ瀬さんと相川さん用ではあったが、5÷3=1.666....と割り切れないので1人分と半人前が入っている
食べるのは結構大変かもしれないけれども、カレーなら日が立つ毎に美味しくなることだし大丈夫だ
そこまで考えたところで一ノ瀬さんの家のドアの前に辿り着く
体調は良くなりましたか、と一声かけてからの方が良いのかな
いや、お加減はいかがですか....?
人差し指をインターホンの前で構えたまま悶々と考えていると....
ま「ん?Aちゃん?」
あ....
向かい側から見覚えのある金髪の男の人が手を大きくブンブンと振りながら笑顔で歩いてきた
ま「僕のこと覚えてる?....って、そうだ。Aちゃん喋れないんだっけ....」
私の少しの沈黙の後、忘れてたと言わんばかりに相川さんは頭を搔く
私はスケッチブックを取り出して書いて見せた
A『気になさらないで下さい。大丈夫です。相川さんは何処かへお出かけですか?』
ま「ううん、そら....」
ヴヴンッと相川さんが咳払いをする
ま「彼方さんに用事があってね。そういうAちゃんこそ鍋2つも持ってどしたの?」
A『カレーを作りすぎてしまって....。もし宜しければお2人にお裾分けをしようと....』
途端に相川さんの目が輝いた
ま「カレー!?」
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作者名:ハルタネ | 作成日時:2017年6月23日 21時