5話 ページ6
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また変なこと言っちゃったかな……
どうしようどうしよう……
｢なんなの本当に！！！！｣
｢えっ……｣
｢もう！！Aなんて知らない！！！｣
｢まって、____ちゃん！！！｣
ふと思い出した過去に頭痛が走る。
また同じ過ちを繰り返してしまうのだろうか……
｢ふ、ふはは！！｣
｢えっ……｣
｢なにそれ、めっちゃおもろいなぁ！｣
｢わたしはお茶子。あなたは？｣
｢え、と……A……です……｣
｢Aかぁ！A……A……うん、すっごいええ名前やな！よろしくね！｣
ふふ、と太陽のように笑う彼女。
眩しすぎて、とても直視できたものではない。
｢あ、次体育やって！ほら、移動教室やろ？いっしょに行こうや〜｣
｢あ、う、うん……！｣
彼女に引っ張られるかのように体育館へと向かう。
なんて、いい子なのだろうか……
｢……でさ〜こういうことがあってん〜｣
｢そうなんですね！お茶子さんはきっと……｣
｢A、もうそういうのやめへん？｣
｢そういうのって……？｣
……変なこと言っちゃったかな……
｢お茶子さんっていうの！あと……敬語？｣
｢で、でも……｣
｢だってもう友達やん！｣
友達……
｢う、うん……お、お茶子……ちゃん……｣
恐る恐る視線を、彼女の目に向ける。
今までに見たことないほど、嬉しそうな笑みを浮かべていた。
｢そうそう！そういう感じ！！｣
｢お茶子ちゃん！！｣
｢そう！うちはお茶子ちゃん！！｣
この子になら、視線を向けられても大丈夫かもしれない。
放課後、初めて人と一緒に帰った。
初めて、友達ができた……
｢お茶子ちゃん……｣
早く明日が来ないかな……
なんて願いながら目を閉じた。
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作者名：藍田 悠夏 | 作成日時：2019年12月9日 17時
