2話 ページ3
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はぁ……あの先輩たち優しかったなぁ……
思い返しながら無事入学式も終わり……
｢テストを開始する｣
えぇ！？！？
入学式は、？新入生を歓迎しないの……？？
えっ、びっくりなんだけど……
ガチでやった。
こんなことがあってか、ヘトヘトに疲れ果てたわたし。
こんなので疲れてたらヒーローになんてなれないかなぁ……
教室でぐったりとしていた。
1年A組は、みんな人あたりのいい人たちだった。
みんな優しくて面白い。たくさんの個性がある。中学のときとはまるでちがう。
でも、そんなクラスでもわたしは馴染めずにいた。
机に突っ伏する。
｢はぁ〜……｣
｢え、……Aさん……？｣
呼ばれてはっと身体を起こし、声のあった方へ顔を向ける。
｢はっっはい！！なんでしょう！！！か！！！！｣
｢あ、やっぱりAさん……だ……あってた……｣
ほっとした声色の正体は、今朝ぶつかった人。あの、キレイな先輩だった。
すぐ視線を下へ向ける。
視線が怖い。いわゆる、視線恐怖症。
こんなんじゃヒーロー務まらないってね。分かってるのだけれども。
｢あ……えっと……｣
｢環〜、1年生の教室なんて覗いてどうしたの〜？｣
｢あ、今朝の……Aさんがいた……から……｣
｢Aさん……？あ、Aちゃんか！｣
縮こまりたい……そして隠れたい……
優しい方だって分かってる。けれども相手は先輩で……何よりも今朝事故があったばかりで！！！
｢ﾋｨｯｯ！！！すっっすみません！！！ゆるしてください！！！！！｣
必死にそう叫んだ。
｢Aちゃん、僕たちは怒ってなんかいないよ。な、環もそうだろ？｣
｢うん。怒ってなんかない……｣
｢むしろ、環がAちゃんの心配してたくらいなんだから！そう気にしないで！！｣
優しさが身体に染みる。
｢す、すみませ……｣
｢ほら！もう謝らなくていいからさ！｣
なんでか、泣きそうになる。
｢ねえ〜2人ともまってよぉ〜！！……ってえ？泣いてる？？ちょっと！2人とも何をしたの！！！大丈夫？ごめんね〜？？｣
声を殺して泣くわたしに、3人はきっと困惑していた。
初めての安心感、
初めての優しさ。
凍っていた心が、優しさという温かさで溶けているかのよう。
心配そうな声色で大丈夫かと尋ねる先輩方。
元気に ｢はい｣ と答えた。
これが登校初日の出来事だった。
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作者名：藍田 悠夏 | 作成日時：2019年12月9日 17時
