１６,見てはいけないもの ページ16
『美味しかった……ご飯…』
「よかったな」
食事後、執事の方が目にも止まらぬ速さで、カトラリーを片付けている様子を横目で見ながら、
一緒のご飯を食べた葛葉さんに美味しさを説明していたら、
カトラリーが一頻り片付いた辺りで、執事の斎藤さんは葛葉さんに手招きをした
「…斎藤に呼ばれたから一緒には行けないけど、自分の部屋までの道わかるか？迷子にならないか？」
『来た道を戻るだけだし、迷わないよ』
そう言葉を交わし、私はリビングを出た。
葛葉さんは椅子から立ち上がる素振りも見せなかったので
きっと、リビングで内緒話をするのだろう
遠くまで続く廊下はヒンヤリとしており、少し肌寒い
高級感溢れる扉を一つ二つと過ぎてゆく
部屋の数が多く、自分の部屋が分からなくなってしまった
『本当に分かんない…どこだったけ……』
一旦来た道を戻って葛葉さんに部屋を教えて貰おうか
いや、話の邪魔をしてはダメだ。
『自分で探そう…』
シャンデリアが美しく輝く廊下を5分以上も彷徨っていると、
食事前に見た私の部屋の扉に酷似した部屋が二つある事に気が付いた
葛葉さんと食事をとった部屋に近い方と遠い方の二つのそっくりな扉。
きっと、どちらかが私の部屋なのだろう
近い方の扉を開けることにした。
『あってるといいなぁ…』
キィーッと錆びた音が高級感のある扉から鳴り、この部屋ではないと音を聞いてすぐに感じた
葛葉さんが案内してくれた部屋の扉は古びた音など鳴らなかった
が、
『……？！』
私はその部屋を見て驚愕した。
その部屋は、あまり広くはない作りの様で正面の壁は
小柄な私でも3歩も進めば壁に手が付く程の狭さで、今までの豪華で大きな部屋とのギャップにも驚かされたが、
問題はそこではない
私に似ているなんて次元じゃない程に似ている女性の写真が、壁一面に張られていたのだ
私に似ていない点は服装だけ。
それ以外は
私の特徴的な灰色の髪も、
忌み嫌われた青の瞳も、顔も一緒
私はこれまで豪華な服を着た事が一度もない
今着ている服は私が初めて着た豪華な服なのだ、写真に写る私そっくりな女性は色とりどりの綺麗な服を着ていた
『わたしなの……？』
瓜二つの双子なんて言うレベルを超えている、それに私は双子ではない
目の前の状況に脳が耐えられなくなり、私は逃げるように遠くの自分の部屋に走った
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ななか(プロフ) - 碧葉さん» わぁ！一目惚れ！？めちゃくちゃ嬉しいです〜！ありがとうございます〜！頑張ります！ (12月2日 13時) (
レス) id: 91e5f72c7d (このIDを非表示/違反報告)
碧葉(プロフ) - もう…一目惚れしました！！大好きです！これからのお話楽しみにしております！ (12月2日 9時) (レス) @page7 id: 9218f5d455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななか | 作成日時：2023年11月30日 1時
