１５,願望 ページ15
「お前さっき特殊な環境にいたって言ってたけど、特殊な環境って？」
『家畜小屋です』
「ちょっと、そいつら殺してくるわ」
葛葉は吸血鬼の特徴的な羽を大きく広げ、窓に足かけた
『まって…！ちょっと待って！』
私は両手で葛葉の特徴的な羽を掴む
「なんだよ？朝方までには帰ってくるぜ？」
『…そうじゃない……』
人間の力なんか吸血鬼にとっては、たかが知れているが
少女の世辞にも強いとは言えない力が吸血鬼を止めた
「嫌だっただろ？家畜小屋なんて異常な場所に入れられて…」
『…生まれた時から私はあの環境にいたから、分からない。自分が置かれている環境が正常か異常かなんて考えた事なかった』
「ならA、お前に俺が常識を身につけさせて、あの環境は異常だったって思わせてやる」
「で！あいつらを殺してくれって言わせる」
どういう願望なんだろうか。
そんな日は来るのだろうか。
窓に足をかけるのをやめ、羽を仕舞い元の姿勢に戻り、何事も無かったかの様にゆっくりと歩きだした
『その羽ってどうなってるの？』
少女は後ろから付いていく
「企業秘密」
吸血鬼は後ろから付いてくる少女を一目みて、目元を緩め、嬉しそうに答えた
『企業…？』
いくつもの扉で部屋の用途だけを伝えられ、通り過ぎてゆく、これを見えている部屋の数だけ繰り返し、2階の部屋の案内は終わったらしい
「一階の案内は〜…しなくていいか」
『いいの？』
「多分お前の生活圏内は二階に留まると思うしな」
この屋敷を一番理解しているであろう家主が言うのだから、そうなのだろう
「よし、じゃあ下行くぞ〜」
『一階？』
「ご飯、千歳達が作ってくれてるから」
『吸血鬼もご飯食べるの？』
「そりゃな」
『吸血鬼でもご飯食べなかったら死んじゃう？』
「死にはしないけど、義務感で食べてる感じはある」
「てか、お前も食べるんだよ、嫌いなもんあったら残していいから」
『私の分のご飯もあるの？』
「そりゃそうだろ、なんの為にアレルギー聞いたんだよ」
『用意されてた事なかったから、びっくりしてる』
「やっぱりあいつら殺しにいくわ」
『…だっ、だめ！』
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ななか(プロフ) - 碧葉さん» わぁ！一目惚れ！？めちゃくちゃ嬉しいです〜！ありがとうございます〜！頑張ります！ (12月2日 13時) (
レス) id: 91e5f72c7d (このIDを非表示/違反報告)
碧葉(プロフ) - もう…一目惚れしました！！大好きです！これからのお話楽しみにしております！ (12月2日 9時) (レス) @page7 id: 9218f5d455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななか | 作成日時：2023年11月30日 1時
