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11,魔女の選んだ本 ページ11

部屋に入ると高い天井、天蓋付ベッド、猫の抱き枕、大きな窓、何も入っていない殻の本棚、お洒落な椅子と机が私達を出迎えた



「足りないものだとか欲しいものがあったら俺や、斎藤、千歳に言えよ?」



『わかった、……それにしてもお洒落な部屋だね』



こんなにいい部屋を私が使っていいのだろうか



「少しの間この部屋に居てくれ」



そう言って一冊の本を渡された



「その本、暇つぶしに使ってくれ」



吸血鬼の男はそれだけ言って部屋を出ていった



村ではずっと鳥小屋に入れられていたため、こんなにも広い部屋は寂しさを感じる



渡された本は400ページ程ある長編の物語らしく、あらすじを見る限りではミステリーらしい



何もすることがないため高級感のある椅子に座り本を開いた



部屋の中はページを捲る音以外は聞こえない



面白く夢中になって読んでいたから気づかなかった






「わたくしがお選びした本は面白いですか?」






千歳さんが部屋に入ってきていた事に






『びっくりしたっ』






千歳さんは失礼いたしました。なんて言いながら、こちらに近づいてきた



「ドアの外からお呼びしたのですが、返事がなかった為お部屋に入らせていただきました」



『千歳さんが選ん…だんですね、面白…いですよ』



「それは良かったです、それにしてもこの短時間でだいぶ進みましたね」



手元の本は気づけば150ページまで進んでいた



『千歳…さんは本好き…なんですか』



「ふふっ、好きでございますよ、」



「ご飯の下準備をしているのですが苦手な食べ物などは有りますか?」



『えっと、蕎麦が…苦手です』



「アレルギーとかでしょうか?」



『はい…』



「かしこまりました、これからは蕎麦は調理器具を分けてA様のお口に触れないようにいたしますね」



『あっ、ありがとうございます…』



「それでは私は調理場に戻りますね、何かありましたら1階に降りてきてくださくださりました



魔力探知で見つますので」



『魔力…!』



「魔女ですのでね」


「あっ、最後に一つそちらのベッドに置いてある、猫の抱き枕は坊ちゃんがA様の為にお選びになったモノなんです」



「このことは坊ちゃんには内緒にしておいてくださいね」



千歳さんは上機嫌に微笑みながら部屋のドアを閉めた



また部屋には私一人になった

12,吸血鬼の名前→←10,優しい鬼と魔女



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ななか(プロフ) - 碧葉さん» わぁ!一目惚れ!?めちゃくちゃ嬉しいです〜!ありがとうございます〜!頑張ります! (12月2日 13時) (レス) id: 91e5f72c7d (このIDを非表示/違反報告)
碧葉(プロフ) - もう…一目惚れしました!!大好きです!これからのお話楽しみにしております! (12月2日 9時) (レス) @page7 id: 9218f5d455 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななか | 作成日時:2023年11月30日 1時

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