【 157 】取引現場 ページ9
S side
−−pm11:35−−
『寒いんだけど……』
和『ファイト〜』
『ってかなんでこういう取引って夜中なの？』
翔「知るかよ、雰囲気だろ」
和『ゲーマーにとっては夜中は辛いわー』
潤「とか言いつつ今絶対ゲームしてるだろ」
和『……てへ？』
潤「声だけだとあざとさ減るな」
翔「でもどんな顔とか仕草とか想像できるな笑」
潤「だね」
『1人だけ遊んでるなんてずるい！！』
翔「うるせぇよ笑」
和『へんっ！いいだろ〜』
『ずるいっ！！』
潤「うるさいっ！！」
翔「…あ、そういや雅紀、セッティング出来た？植物」
雅『オ〜ケ〜…』
皆「『「『はい？なんて？」』」』
雅『セッティングしたよ〜…』
和『いや、声ちっさ！！』
『あー、ほらさっき潤くんがうるさいって怒鳴ったから〜』
潤「俺ぇ？いやいや…え？」
・
−−pm12:06−−
翔「……A、そっちから人影確認できるか？」
『…まだ誰も来てなさそうだよ』
翔「だよな」
潤「どうしたの？」
翔「なんか…誰かいそうな気がしたんだけど」
和『カメラになんか横切った！』
翔「猫じゃねぇだろうな？」
和『んー…小さいからその可能性もあり』
ニノがそう言うのと同時に
【これでご飯食べれるのかな…】
と、不安そうな声。
翔「A、今の聞こえたか？」
『はっきりとは聞き取れなかったけど声がしたのは感じたよ。突入する？』
翔「行こう。ニノ、怪しいの周囲にあったら教えて」
和『任せとけ』
翔「行くぞっ！」
松潤の肩を叩いて2人で現場に乗り込むと戸惑ったような顔のAと
潤「………子、ども…？」
翔「ってか、君って…」
「みかちゃん………？」
み「っ！！」
ビクッ！と震えながら手にしている黒いトランクを小さな腕で抱きしめるみかちゃん。
もう1人一緒にいた男の子はそれと同時にパンッと弾かれたように走り出し壁と壁の隙間から外へ飛び出す。
雅『ねぇっ！男の子が出て来た！！』
翔「捕まえとけ！」
雅『分かっ〈バキッ！！〉ゔっ……！』
鈍い音と一緒にドサッと倒れた音。
潤「ちっ、様子見てくる」
翔「あぁ、頼んだ」
和『男の子は黒い車に乗り込んで逃げたよ。……その子、どうする？』
「……。」
翔「A」
「…連れて帰る。……みかちゃん」
み「っ………。」
「一緒に行こう？」
み「…でも、お仕事しないとご飯抜きって……」
「大丈夫。大丈夫だから」
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作者名：ハルvolleyball | 作成日時：2019年4月19日 8時
