【 172 】隠した宝箱 ページ24
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「なんで2人っきりにしたの？」
「なんでって…なんとなく？」
「リーダーにそうしてって言われたの？」
「いや、俺の独断？
でもあの2人はちゃんと話し合った方がいいだろ」
「そっかぁ……？」
「翔さん」
「ん？」
「Aの中に入ってる時になんか見つけちゃった？」
「……にのも俺と一緒なんじゃない？」
「違うわ笑
でもそういうことね、」
「まぁね」
・
意識の中。
Aを見つけて、抱きしめた後。まだなんか隠してる感じがしてこたつに俺も入ったら
「…なんじゃこりゃ」
「それだめなの！」
「なんでだめなの。宝箱？」
「開けちゃダメなやつなの」
「開けちゃダメなやつ？…これの鍵は？」
「ない！」
「ほほう。」
なんて言いつつぬいぐるみを一つ一つ漁る
「っ！何やってんのバカ！」
「うお！いきなり今の姿に戻るなよびっくりするな」
「小さい姿のままだと止められないもん
ちょっと、返して」
「やだね。開けちゃダメ、とか返してって言われたら開けたくなるもん」
「天邪鬼か！」
「それはにの！」
「確かに…じゃなくて、ほんとかーえーしーてー」
「じゃあなにが入ってるのか教えてくれたらいいよ」
「教えるわけないじゃん、自分でも覚えてないのに」
「は？じゃあなんでダメとか言うの」
「本能が。ダメって」
なんて言いつつまだ漁り続けてたらポロッとそれらしき物を見つける
「……なんで見つけるかな…？」
「見つけて欲しいってことなんじゃん？
Aもなにを入れたか忘れてるんだろ？再確認しといたら？」
「…する必要ある？
たぶん、そこに何かを入れたのはもう良いからって事で。前に進もうってする為に入れたのかも」
「前に進むんならこれはこんなふうに置いてないし、消えてしまうもんだよ。何かは知らないけど、消えてないんだからまだ心の世界のここにあるんだし」
「…………。」
「確かにそうかも、とか思っただろ」
「うるさい」
「……ほら、開けてみ」
もしかしたら、俺はなにが入っているのか分かってたのかもしれない。
開けさせて、後悔する事も分かってたかも。
「………開けるよ」
「うん」
ガチャ…
金属音の後に目の前に現れたおっきな青い服を着たぬいぐるみ。
それと一緒に、オルゴールのように優しい声と愛が溢れてくる。
『俺はAの事が好きだよ』
『俺が一生守ってあげる』
『愛してる』
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作者名：ハルvolleyball | 作成日時：2019年4月19日 8時
